立場の弱い外国人労働者、あるいは日本人派遣労働者。そんな人たちにこの国は決して優しくない。つまりそれは、私達にも跳ね返ってくるわけで、そういう国で生きているという事をあらためて感じさせてくれる作品です。
公開10周年記念デジタルリマスター版
2011年公開、監督富田克也。
デジタルリマスター版で公開されております:https://www.saudade-movie.com/
東日本大震災の前年の公開になるでしょうか。
山梨県の地方都市が舞台。
リーマンショック、景気低迷。
そのあおりをまともに食らった人々。
日系ブラジル人、出稼ぎにきたタイ人。
派遣で土方をする主人公はラッパー。
作品の中でも、腐りきった日本の姿をラップする姿が印象的だ。
外国人労働者を使い捨てにしてきた
特に、ブラジル日系人は、日系人在留資格を得ることで、就労が可能となり。
他の外国人に比べて格段に就労することのハードルが低くなります。
ですから、作品にあるように地方の大手の工場では、多くの日系ブラジル人が働くことになります。
しかし、ひとたび不況になるとまずは、彼らの様な立場の人たちから解雇されてゆきます。
つまり、企業に都合のいい時だけ利用して、という事になるわけです。
特に、リーマンショックの時はひどかった。
労働力として、日本に積極的に招へいした日系ブラジル人をいとも簡単に切り捨てた我が国。
そんな空気の地方都市のが、この作品の根底にあります。
単に安価な労働力としてしか彼らを見ないのが、日本という国なのです。
コロナ禍の現在も同じことが繰り返され。
残念ですが、わが国の政策には大きな変化はありません。
あくまでも、外国人労働者は安価で、雇用の調整弁としてしか考えていないのが現実です。
他人事ではない気がするのですが。
人間に対しての我が国の基本的考え方が、実にお粗末。
決して人を大事にする国ではない事を、改めて感じる作品です。
主人公のラップの叫びに、耳を傾けてみませんか。




コメント