ーネタバレを含みますー
『君の見る世界をなぞる』16歳社会と自分との距離、親の敷くレールには従いたくない、いいよね青春はあらゆる可能性があって。母親がしっかりしている、息子のすべてをありのままに受け入れている。父親は、とにかく自分の思う方向に進ませようと。
主人公は16歳
日本だと高校一年ですね
進学はせず、大工の現場で働く
帰宅後は、自宅のプールに飛び込み
夜中に起きては、また飛び込む
そんな豪邸見たたことないんですが
日本では、なかなかお目にかかれないご自宅
なんでまた、お金持ちの息子が
どうやら、自分探しというか、モラトリアムのまっただ中
勉強より、建築仕事が好きなようで
親は、進学もしない息子にハラハラ、特に父親
この少年が、どうやら同じ現場の年上の男性に恋ごころを抱くというお話
ここまで来ると、気持ち悪いと脱落する方も多数。
それもそうですよね

少数派である少年
では、同性を好きになる人は、実際どのくらいいるのでしょう。
おおよその割合でいえば、少数派であることは間違いありません。
ただ、人の性的指向は、そんなに単純に線引きできるものでもない。
同性にも異性にも惹かれる人がいれば、同性への関心を持ちながら、最終的には異性をパートナーにする人もいる。
人それぞれです。
この映画が描いているのは、まさにそんな「揺れ」の部分なのだと思います。
まだ16歳。
自分が何者なのかも、これから何をしたいのかも、はっきりしない。
そんな少年が、ひとりの男性に惹かれていく。
好きになった相手は、年上ウクライナからの出稼ぎ労働者
プラトニックで終わることで成功している
この作品がいいと思うのは、二人の関係がプラトニックなまま終わることです。
もちろん現実には、未成年と成人の関係には法律上の問題もあります。
その意味でも、青年が少年の気持ちに応えることなく、一定の距離を保つのは重要だったのでしょう。
最後には、少年との距離を置くためなのか、青年はウクライナへ戻っていく。
そして、ウクライナ兵となった青年から電話
戦場から、いままさに生命の危機
その最後の電話でかわされる二人の会話。
ここがとてもいい。
悲しいはずなのに、どこか一服の清涼感がある。
そして電話が終わったあとに残る、静かな余韻。
切ない片思いの物語として、この終わり方は成功していると思います。
万人受けする映画ではないでしょう。
でも、16歳という少年の「まだ何者でもない時間」と、誰かを好きになってしまった気持ち。
その二つを重ね合わせて見ると、単純に「同性の恋愛映画」と片づけてしまうのは、少しもったいない作品です。


コメント