映画館

『C.R.A.Z.Y』家族というものは、実は本当に煩わしいもの。

『C.R.A.Z.Y』ゲイの少年の成長期と簡単に言ってしまえばそれまでですが、いまよりさらに保守的だった1960年代のカナダケベックではいかばかりだったか。過去の話として終わるのではなく、家族と自分、自由と自立についてよく考えさせてくれる良作です。
映画館

『キングメーカー 大統領を作った男』政界とは生き馬の目を抜く所

政治の世界はわからない、『キングメーカー 大統領を作った男』。正義だけでは割り切れない、そんな現実を突き付けてくる。それでも、政権交代のある韓国はまだましなのだろうか。一党独裁ではないけど、浄化作用の働かない日本とどうしてもくらべたくなる。
映画館

意欲は買うんだけど『島守の塔』今の日本映画の限界を見る思い

国内唯一の地上戦沖縄。この事実と何があったかは、いつまでも忘れてはいけない。映画『島守の塔』は、当時の沖縄県知事から見た沖縄戦が主軸なんだけど、悲しいかなドラマが弱い。このあたりに限られた予算と企画の中でもがく日本映画の現状を見る思いがします。
歌舞伎・お芝居の世界

笑いの少なくなった寄席「新宿末廣亭下席」を聞きながら考えたこと。

「寄席から笑いが消えた」というと大げさですが、コロナ以降なぜか、大笑いをする噺家に巡り合わない。感染を気使ってという事ならわからないもないが、何か違うとみんな古典のお話で、聴衆に聞かせようとする。私が望んでるのは、理屈などいらないおかしい話。
映画館

孤独なスーパースター『エルヴィス』栄光の裏側の真実をかみしめる

心と体がまだまともに成熟していないのに、才能に恵まれた人は世に出て喝采を受けることがある。映画『エルヴィス』はそんな男の才能にふりまわされた一生を、はかなくも色鮮やかに再現している。確かに、一瞬であるかもしれないが、他を寄せ付けない輝きが。
映画館

映画『ナワリヌイ』プーチンに毒殺されそうになった男とロシアの憂鬱

義の為に生きるとはかくも過酷なものなのか、プーチンに毒殺されそうになってもなおも戦う、アレクセイ・ナワリヌイ。不条理の塊のようなロシアと言う国の行く末はどうなるんだろう。残念ながら、そう簡単には解決しそうもない、巨大な妄想国家に思えてならない。
映画館

公開3週目で週末満席 『モガディシュ』 勢いのある映画を見よう。

力のある作品に触れると何か得をしたような気になります、そんな作品が現在公開中の韓国映画『モガディシュ 脱出までの14日間』。いまでも南北に分かれた朝鮮半島では、一筋縄では行かない問題の数々なのですが、映画の世界では、見事に超越してくれました。
映画館

東宝の90年国立映画アーカイブ『日本の一番長い日』今一番見ておきたい

今年も8/15がやってくる、先の大戦の経験者が少なくなるにつれ風化することが悲しい。国立映画アーカイブ東宝30年モダンと革新(1)で『日本のいちばん長い日』の上映があった。映画を通してあの戦争とは何だったのか、おのおのが考えることは大事では
映画館

スクリーンから血しぶきが台湾ホラー『哭悲/THE SADNESS』

台湾発のホラー映画『哭非/THE SADNESS』、ここまでやるかと言うくらいの過激な映像です。作り物なんですが、それでもね・・・というのが、正直な感想。真夏の夜の悪夢、悪い夢を見たと軽く流せる方以外には、正直お勧めしずらい内容なのです。
映画館

真夏のホラー、この映画は拾いもの『Xエックス』タブーに挑む新鮮さ

アメリカの田舎、世間から取り残されている感がホラー映画を盛り上げる。アメリカンホラーの定番的設定だけど、見事にはまった。お馴染みの展開かと思わせたところに、老人の性と葛藤というタブーの領域に踏み込んで、物語を奥行きのある恐怖に導く、上手い。