韓国映画の金字塔『ペパーミントキャンディー』歴史に翻弄された主人公

映画フィルムのイメージ画像 映画館

動画配信でも見られる様になった『ペパーミントキャンディー』

2000年公開の韓国映画です。

とはいえ、韓国とNHKの共同制作で、1998年韓国の日本文化開放後、初の共同制作の作品で、韓国の主要映画賞を総なめした作品です。

監督イ・チャドン、主演ソル・ギョング

国内外で高い評価を受けながらもなかなか動画配信にならず。

現在の様に韓国映画が高い評価を受けていた時代ではなかったので、伝説の傑作と言われる作品です。

やっと、動画配信サービスがかない気軽に視聴できるようになりました。

『ペパーミントキャンディー』を配信しているVOD一覧https://eiga-review.me/peppermintcandy/
(出典:気ままにおうちシネマ)

どうぞ、この機会に名作に触れて見てください。

韓国映画の金字塔『ペパーミントキャンディー』

何が凄いのかと言うと、韓国映画はどちらかと言うと、自国で起きた暗部というものをドラマチックに描く傾向があります。

しかし、本作品は、主人公の1979年から1999年まで、時代に翻弄される様を素直に描いております。

その描き方が、実に冷静に描いている点が優れております。

作品の舞台となった1979年~1999年とは、まさに韓国民主化の大きな流れの中に位置する20年間と言えます。

1980年には民主化を叫ぶ市民に武器を向け鎮圧した光州事件、その後も民主化の運動は続きます。

さらに激化する民主化運動のなかで、1987年に翌年にソウルオリンピックを控え、開催が民主化運動の激化で開催が危ぶまれると、国は渋々民主化宣言を出します。

その後、1992年の野党民主自由党の金泳三、1997年の金大中の大統領当選で民主化が実現します

まさに、映画はその韓国民主化の激動の20年に歩調を合わせるように。

一人の人間が如何に、その時代に翻弄されたかを描きだしております。

1999年から始まり1977年に向かって時間軸を逆に動かす演出も、主人公が如何に変節したかを表現するのに説得力があります。

韓国民主化運動と韓国社会の変化、それは決していい面ばかりではなくドラマチックな出来事ではありません。

そのあたりを本作は、一人の時代に翻弄された男の一生を通して、身近な感覚として伝えております

伝説の傑作をどうぞ堪能してください。

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