2014年公開のアメリカ映画
原作は、イラク戦争に4度従軍した、クリス・カイルの著書『ネイビー・シールズ最強の狙撃手』で、自伝となります。
2015年の時点で、『プライベート・ライアン』の興行成績を上回り、戦争映画史上最高の興行収入となっております。
しかし、見終わった後何となく?な感じになるというか、反戦映画なんだけど、このラストは上手く説明できないというか、自分の中で上手く消化できない感じがのこります。
はてさてこれは何なんだろうと考えていると、次の様な村上春樹氏のコメントに行き着きました。
“「とてもよくできた緊密な映画で感心しました。イラク戦争が舞台の話だけど、好戦的なのか反戦的なのか、どちらともまったく判断できない映画で、そういうところに監督としてのイーストウッドの、底の知れない不気味さを感じました。政治的な観点から、日本での評価はたぶんわかれると思いますが」”(Wikipediaより)
反戦的なのか好戦的なのか。
正にこの言葉が言い得て妙ですね。
どちらともとれる場面が作中に出てきます。
やはり、評価はわかれるでしょうね。
村上氏が指摘する様に、クリントイーストウッド監督は何処かつかみ切れない所があるのもよく感じます。
『グラントリノ』しかり『ミリオンダラーベイビー』しかり。
誰か、クリントイーストウッド研究でもしてくれないかな、なんて思ってしまいます。
とても私なんぞの手におえる範囲ではないと痛感。
最近とみにアメリカ合衆国やアメリカ人とは判らなくなりました。
ただ判ってたつもりでいただけなのですが。
現在でも、第二次世界大戦の広島・長崎への原爆投下が戦争終結をはやめたとする考えも、アメリカ国内では根強くあるし。
あれだけ大きい国で、多様な人種の国民を一つとして捕えようとするのが無茶な話ですが。
政治も民主党・共和党と大きく二つですが、そう簡単に二つの思想で出来ている国とも思えないし。
やたら保守的な部分もあり、特に宗教ではヨーロッパでは少数派となってしまった根本主義と言われるグループが多数で、非常に保守的だし。
クリントイーストウッド監督に限らず、アメリカ人とは判りずらい思いがします。
皆さんは、この作品をご覧になってどう感じられたでしょうか。
コメント