日本であって日本でなかった戦後の沖縄。そんな沖縄那覇市古座で、1970年代に米兵に圧倒的人気を誇っていたハードロックバンド「紫」。ベトナム戦争の異様な影を引きずりつつパワフルにエネルギーを出し続けた街とロックバンド。そんな時代があったと再認識します。
沖縄返還前なので正確には沖縄県ではないのですが。
日本でただ唯一地上戦が行われた沖縄。
戦後も返還されるまで、アメリカの統治が続く。
日本における米軍基地のそのほとんどを占める沖縄。
戦中から戦後まで、一番その傷跡を背負わされた沖縄。
その独自の文化と生活。
日本であって、その特殊性は際立っています。
そんな、沖縄の1970年代が舞台の作品『ミラクルシティコザ』
舞台は、コザにあるライブハウス。
そこには、米兵から圧倒的支持を受けていた、沖縄のロックバンドがいた。
そのロックバンドの当時と現在をクロスオーバーしながら物語は進みます。
ベトナム戦争の前線に送られる米兵
返還前の沖縄1970年。
激化するベトナム戦争に送られる米兵の最前線基地でした。
コザバブルと表現すればいいのか。
戦地に送られる米兵は、いつ戦死するかわからない。
戦地にお金をもっていてもしょうがない。
生きている今のうちに、思いっきり使ってしまおう。
そんな米兵の多くが、たむろしたコザ。
当然、享楽の極みであり。
湯水のように、米兵はお金を使い。
特殊な時代ではあったのですが。
そんな米兵に圧倒的に支持された日本人バンドがあった。
ハードロックバンド「紫」
映画のモデルとなったバンドです。
かなり、特殊な事情の時代と場所で、異様に輝いたバンド。
それは、時代が生んだもので。
それでいて、現在の沖縄の取り残された感の漂う街で。
そんな時代が、懐かしく思えてしまう、不思議な作品です。
映画『ミラクルシティコザ』公式サイト:https://miraclecitykoza.com/
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