『ライトハウス』むき出しの人間の弱さを極限まで描き切った作品

映画フィルムのイメージ画像 映画館

極限状態に置かれたら人間は、そんな問いに答えてくれる作品です。いかに人間は弱い存在か、これでもかこれでもかとカメラは逃げもせず描き出します。けっしてそれは心地よい画像ではありませんが、多分これが事実なのでしょう。逃げ場のないという事は、本当に恐ろしい事です。

2019年 米国製作 モノクロ画面がいい効果出してます

1890年代のニューイングランドの孤島を舞台にした作品

登場人物はほぼ二人。

ほぼ二人というのは、夢か幻かと言う中での出演者はいますが。

現実的には、二人の登場人物によるドラマです。

灯台に赴任してきた新人灯台守と古老の物語。

嵐で交代要員が来ず、二人取り残された極限状態。

人間の哀れさがこれでもかと

今の様にテレビもラジオもない。

ネットなどもってのほか。

無線もなく、外の世界とまったく遮断された空間

そんな時人間のやることは

実に、生々しく描かれている。

所詮人間は、周りの人々に支えられてやっているだけなのが良く解る

そう、実に弱い存在なのだ

そんな、いきずまる空間で窒息しそうにドラマは進んで行く。

正気か狂気かラストまでわからない

そこが、ミステリー作品というところでしょうか。

嵐で遮断された世界で、だんだん正気を失ってゆく。

だから、ドラマのラストにむけて、正気の世界か登場人物の狂気の世界か。

その境界があいまいになって行く。

その辺りが、作品を見る者に想像の余地や解釈を残してくれる。

なぜ人間は、他者を受け入れるパターンと拒否するパターンとがあるのか。

自分にない者を持っている者に対する敵対心。

色々考えさせてくれるドラマ構成が見事。

嵐の中で、希望の光となる灯台

その下で繰り広げられる、生々しい人間の性。

光と人間の闇その対比が対照的であり、最大の効果をあげている

じっくり鑑賞したい作品です。

公式サイトhttps://transformer.co.jp/m/thelighthouse/

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