北野武の美学の詰まった『HANA-BI』その攻撃性と自殺願望。相反ずるようで、北野武には同じように心の中に存在している。1990年代を代表する北野作品を国立映画アーカイブで。
1990年代日本映画。国立映画アーカイブ企画上映
お馴染みの国立映画アーカイブ。
今回は、~5/1までのロングランから、北野武監督『HANA-BI』
1998年作で、北野作品全18作の中で7作目にあたる作品。
映画監督としても、すでに認められた頃。
日本の大御所監督や海外での評価が高かった。
ツービートで漫才コンビで頂点に立ち、その有り余る才能を映画にぶつけた。
そんな作品です。
北野作品にみる、武の攻撃性と自殺願望。
特に、初期の作品にこの傾向を強く感じます。
『HANA-BI』は、元刑事で余命いくばくもない妻とのムービー。
そこには、元刑事でありながら、暴力団とも関係をもち。
そのはみだしぶりが、映画の核でしょうか。
暴力、何でもありの性格。
それでいて、元同僚や妻に対するやさしさ。
北の美学の結晶でしょうか。
漫才でもそうですが、彼のスタイルは、その攻撃性。
攻撃性は、外へ向かえば他害。
自己に向かえば、自殺となるのですが。
彼の中にその二つのエネルギーが、あふれていたのだと。
その攻撃性を、漫才や映画作品としてぶつけていた。
よかったですね、現実社会でそんなことしたら、犯罪者ですから。
いわゆる、昇華ということでしょうか。
どうか、そんな北野武の攻撃性と相反するやさしさが詰まった作品。
『HANA-BI』を鑑賞して、北野美学に染まってみては。
独特なカメラワークと色彩感覚、台詞回し。
北野ワールドに酔いしれてください。
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