ーネタバレを含みますー
日本の高度成長期と共に誕生し、今日まで活躍し続ける大怪獣ゴジラ。そろそろ引退とのうわさも何のその、今回も新装ゴジラの登場であります。TOHOさんもこのキャラクターをいつまで引っ張るつもりなのでしょうか、日本のミッキーマウスとなったのでしょうか
それだけ傑出したキャラクターなんですが
2016年に製作された『シン・ゴジラ』TOHO製作のゴジラ映画第29作目になります。
1954年が第一作ですから半世紀以上の活躍となるわけです。
「核の落とし子」として誕生したゴジラ。
時には、恐怖の大怪獣であったり、巨大怪獣と戦う人類の味方であったり、幾多の活躍をするわけですが。
いかんせん子供の頃から見続けていると、そろそろ違ったキャラクター出てこないかなと思ってしまうわけで。
まあそれだけ、キャラクターとしてのインパクト、存在感が他の追随を許さないのでしょうが。
歌舞伎町を歩けば、ビルの屋上に鎮座ましましておられ、辺り一帯ににらみを利かせ。
時には、定時に叫び声と炎(本物ではないですよ)を放つのであります。
その足元には、ゴジラショップなるものまで用意されておりまして。
人々は、ありがたくも、そのグッズを手にするのでありますが。
先ほど申しました通り、半世紀もゴジラを見ておりますと、もはや新鮮味もなく。
そろそろ引退させた方がいいのではと考えてしまうのは、小生だけでしょうか。
といいますより、ゴジラなるものが、円谷プロの創作であるならば、それを超えるキャラクターが出てこない寂しさと想像力の乏しくなった、わが国のエンターテイメントを嘆くのですが。
いいや、アニメを初めあらゆるヒーローがいるではないかという意見もおありかと思うのですが。
いやはやTOHOが、いまだにこれだけゴジラ頼みを見るにつけ、なにかと寂しい思いが沸々と湧くのであります。
国立映画アーカイブにて『シン・ゴジラ』
今回『シン・ゴジラ』を鑑賞したのは、国立映画アーカイブ。
「東宝の90年 モダンと革新の映画史(1)」と言う企画上映で2022/06/24~2022/07/31までhttps://www.nfaj.go.jp/exhibition/toho202205/
ゴジラ作品は、何本か見ているのですが、今回の作品はどのカテゴリーにも入らない、新たなゴジラ映画でしょうか。
あえて、ゴジラにキャラクター性を求めるのではなく。
ただ、危険極まりない怪獣として描かれています。
画面に登場した時など、まるで巨大な両生類の趣で。
かつての、雄々しくかつユニークな風貌は見る影もなく。
本当に危険な、巨大生物でありまして。
映画の主題は、どちらかと言うと、ゴジラよりそれを取り巻く人間像を中心に据えている感があります。
つまり、巨大な危険生物を退治する政府の対応が中心とでもいいますか。
まあそれも、一つのゴジラ作品のあり様なのですが。
巨大怪獣に、翻弄される日本政府の対応が、物凄く官僚的で、お飾りなような閣僚や総理大臣が何処か滑稽なのです。
体制側なのか、反体制がわなのか。
滑稽な、日本政府を描く時点では、反体制的な作風ともとれるのですが。
巨大怪獣を退治に孤軍奮闘する、一人の閣僚。
彼が、ラストに口にする台詞で、映画の方向性がわからなくなります。
ゴジラに破壊された東京を目の前にして。
「日本は、スクラップアンドビルドで発展してきた国だ、今度もまた立ち直る」とのたまうのですが。
あれれ、政府の広報のようなセリフと聞こえてしまうのは、私だけでしょうか。
なんかスクラップアンドビルドとは、関東大震災や第二次世界大戦または東日本大震災から立ち上がる様を表現しているのでしょうが。
どうも私には、古い物を大事にしない、ちょっと古くなったものは、再開発の名のもとに政治家の利権になってきた今までを想像してしまうのですが。
そのあたりの感想は、鑑賞された方それぞれにお任せと。
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