誰にでも平等に訪れる老いと死。いつかその時が自分にも訪れる、そう考えさせられる映画『サンレモ』。だから、見ていて決して快いものではない。しかし、その時を忘れてないもののように、いつまでも力に任せた人生を送れるものではない、有り様を考えよう。
日本初公開『サンレモ』2020年製作
EUフィルムデーズ、日本初公開作品を上映するのもお馴染み。
スロヴェニア、イタリア合作。
まず、商業ベースには乗らない地味な小品。
老人介護施設を舞台にして、認知症の老人の物語『サンレモ』。
これだけ聞くと、見たいと思う方も少ないのでは。
誰でも、老いという事は見たくないもの。
しかし、間違いなく誰にでもおとずれる、避けて通れない宿命。
映画の内容は、老人介護施設での勤務経験のある私には、ごくありふれた風景。
はるか昔に亡くなった飼い犬を探し続ける主人公。
断片的記憶の世界を彷徨う。
脳細胞が退行することで起こる行動と言動。
決して見ていて楽しい映画ではない。
ただ、ああ人間として生きてゆくのはこういう事なんだなと、しみじみ考えさせられる。
老いと向き合うという事
老いと死は、誰にでも平等に訪れるものですが。
老いに関しては、個人差が大きい。
認知症が、早く訪れる人もいれば、高齢になってもシャキッとした方もいる。
認知症の程度もひとそれぞれだ。
ただ、やがて自分にもその時が訪れる事から目をそらさないことが大事。
おのずと今の自分がなす事が、見えてくる。
時間を大事に使う。
老いを感じたら、終活とまで大げさではないにしても、生活を簡素にする工夫が必要。
そうは思ってもなかなかできることではないですが。
ある程度身体の自由の利く時に、少しづつ準備したいと考えます。
そう、今まで書いたことは、他人ごとではなく、自分のことなのです。
国立映画アーカイブ「EUフィルムデーズ」:https://www.nfaj.go.jp/exhibition/eufilmdays202205/
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