アメリカインディーズ映画から『オールド・ジョイ』繊細な心の動き

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日本ではあまり馴染みのない、アメリカインディーズ映画の女王ケリー・ライカート。その代表作4作品が公開されております。決してメジャーな作品群ではありませんが、私達が普段はお目にかかれないアメリカが違った方向から見えてまいります。

ケリー・ライカートの代表作

ライカートはアメリカインディーズ映画の女王と言われる監督。

彼女の代表作4作品が現在上映されております。https://www.kelly2021.jp/

その中から、今回は『オールド・ジョイ』の紹介です。

普段の私達の接するアメリカ映画からは、一味も二味も違う趣となる作品です。

実に繊細で、細やかな心の動きを映像上で描きだします。

それは、時には見る者にとって退屈と感じるかもしれません。

作風は、ヌーベルバーグの祖母と言われたアニエス・ヴェルダhttps://himabu117.com/wp-admin/post.php?post=2073&action=editに相通じるところがあると。

女流監督のなせる業でしょうか、けっして声高に叫ぶでもなく。

ただ移りゆく時を映像の上にのせてくる世界

移りゆく時を通して人生を語ってくれるとでも言ったらいいでしょうか

『オールド・ジョイ』

旧友の男友達二人のロードムービー。

片や家庭があり、もう一人はいまだに放浪生活の続きをやっている状態。

久しぶりに再会して、一泊のキャンプ旅行。

これといった事件もあるわけではなく。

さりとて何にもない時なのかと言えば、そうとも言えない。

二人と、犬の旅路が淡々と流れて行きます。

気が付くと、えっもうお終いなのとエンディングロールが流れます。

時と言うのは、ある時は残酷ですね

片や旧交を温めたいと思っていても、もうすでにお互いの置かれた立場が違っている。

高校の同級会でも感じるのでは。

会った時は、昔話に花が咲くのですが、なまじスタートラインが同じだったばかりに。

なんか、現在のお互いの立場の違いに釈然としない感情が湧いてくるのを。

『オールドジョイ』は、そんな時間の流れと一人残される寂しさの様なものを感じさせてくれます。

おそらく、原作を小説として読んだ方が、何とも言えない後読感を残してくれそうな気がします

そんな、余韻を置いて行ってくれるライカート作品を楽しんでみては

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