EUフィルムデーズ2022国立映画アーカイブ「恋人はアンバー」

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アイルランドの片田舎1990年代、ゲイとレズの高校生カップル。こう書くだけで、このカップルの学校生活での苦労が見えてきます。今よりまだ個人のセクシャリティーを尊重されなかった時代のお話です。では、現代ではもうそんなことはないと言い切れるでしょうか。

ヨーロッパの今が見えてくる。

国立映画アーカイブの企画だけど、いいと思います。

なかなか商業べースでは見ることのできない作品。

それでいてなかなかの秀作ぞろい。

日本初公開作品もあり、いい企画です。

世界はひろい、島国日本に暮らすとなかなかヨーロッパの今は見えてこないですね。

そんな現状でも映画作品を通じて世界とつながってみては。

新たな視点が見えて来るかも。

『恋人はアンバー』2020年製作

舞台は、1990年代のアイルランドの片田舎。

ゲイとレズの高校生カップルのお話

互いのセクシャリティーを隠すために、偽装のカップルになる、そんなお話。

1990年代だとまだこれだけ同性愛に偏見があったのだろうなと。

いまでもどれだけ意識が変わったかは、何とも言えないですが。

まあ、映画の舞台になった頃より少しは理解が深まったかな。

でも、映画の舞台はまだ30年前、アイルランドというカトリックの信仰の強いお国。

それに都市部ならまだしも、片田舎。

互いのセクシャリティーを偽るための努力が涙ぐましい

しかし、カトリックって矛盾を多く抱えてるよな。

同性愛と堕胎を禁止する教え。

一見保守的考えなんだけど。

カトリック教会自体が、聖職者による少年に対する性的虐待と言う問題を抱えている。

それでいて、この問題に真剣に取り組もうとしているとは思えない。

なんとなく、嵐が通り過ぎるのをまっているかの対応。

それでいて、同性愛を否定する姿勢、なんか矛盾してるんですよね。

まあ人間なんて矛盾の塊ですから。

アイルランドの奔放な高校生

カトリックの敬虔な教えに静かに従う。

なんてことがありえない、自由奔放さがいい。

なんか、あまりにも性的に奔放すぎて、面食らってしまう。

奔放というよりも、露骨すぎで。

お国柄なのでしょうか、それとも今の日本もだいぶ変わったのかな。

どちらにしても、あまり性欲むき出しというのは抵抗を感じてしまうのですが。

そんな違いを感じられるのも、映画作品のおかげと感じているのですが。

ゲイとレズの高校生とくに主人公のゲイの彼は、自らのセクシャリティーを隠しながらの生活。

まだ、レズの彼女の方が、さばけている感じです。

アイルランドの田舎では、カミングアウトもできるわけでもなく、偽装カップルを演じるわけですが。

やがて、自らのセクシャリティーを受け入れて旅立ってゆく姿が、すがすがしさをくれます。

二人の未来を応援したくなる、そんな作品です

国立映画アーカイブサイト:https://www.nfaj.go.jp/

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