1959年米国製作『渚にて』
作品は、第三次世界大戦で核爆弾による放射能汚染で滅亡して行く社会を描いている。
コロナウイルスの脅威にさらされている昨今、不謹慎とも言われかねないが、なぜかこの映画の事が頭に浮かぶ日が多い。
作品では、北半球がほぼ全滅状態で、僅かに生き残った、南半球からアメリカのシアトルに生存者を探す場面が出てくる。
ひとけのなくなったシアトルを主人公は、彷徨う。
町は、崩壊している様子もなく、さっきまで日常生活が行われていたかの様である。
ただ違うのは、そこに人の気配が全くないこと。
白黒の映像と相まって、放射能に汚染されている空気は見た目にはわからない。
かえって人が活動しないことで、空気が澄んでいるように見えてしまう。
人間という存在がいかに世の中を汚しているかを皮肉っている様にも感じてしまう。
ある種のすがすがしさと究極の孤独感が入り混じる、不思議な映像だ。
人間の無力さ。
僅かな大きさのウイルスの前に我々は、無力でしかない。
そんな中、医療の最前線で献身的に働いていらしゃる方々には、ただただ頭が下がるばかりだ。
やがて、ウイルスが解明されワクチンが開発され、今の難問題も解決される日が来るだろう。
しかし、そこにはまた新たな脅威が現れての繰り返しではないだろうか。
決して私は厭世的になっているのではない。
ただ、人間の弱さ、無力さを痛感しながらも、ささやかな喜びに感謝しつつ人生を送りたいだけだ。
しかし、今それが脅かされている。
医療の最前線で戦われている方々へ
感謝の言葉しか出てこない。
安全なところに居て、心地よい言葉だけ発している為政者に期待はできない。
我々もできるだけ感染のリスクを減らし、できるだけ医療関係者の負担にならない努力は惜しみません。
しかし、感染のリスクはゼロでない以上、感染していまった時は、どうぞ助けてください。
困難を通して見えてくることもあります。
嘘とホントを見分ける力もつくでしょう。
我々の社会の行くべき方向の判断をする力もつくでしょう。
しかし、今はそこに至れるまでの戦い。
最前線におられる医療関係者の方々に心から感謝いたします。
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