ーネタバレを含みますー
誰でも人生の終焉は訪れる、そこで老年を迎えた人にかならず訪れる「孤独」という問題。普段は、考えないよね、いや考えたくないからわざと意識下に仕込めているだけ。でも向き合わざる負えなくなった時どうしたら、そんなことを考えておくのも必要なんです。
原作はフィンランドの人気作家「幸せな一人ぼっち」
ベストセラーになったこの原作は、2015年にフィンランドで映画化されている。
本作は、舞台をアメリカに移した、リメイク。
トム・ハンクスが妻を亡くし、職場も退職し孤独と向きあう老人を演じている。
老人と言うのには、長寿のこの時代初老の後半とでもいいますか。
人生百歳時代と言われる昨今では、まだまだというところなんですが。
彼は、半年前に愛妻を亡くし孤独と初めて相対するわけで。
妻のもとに逝こうとする。
果たして其の選択は、どうなのかなと思わせるところに。
おせっかいな移民の家族が、越してくるところから、話がおかしくなる。
まあ、新たな家族とまでは行かないですが、新たな繋がりができるわけで。
現実的には、そう上手くゆくかな。
答え難しいですね。
でも、いくつか方法はあります。
高齢化社会を迎えての昨今。
高齢者の参加できる、サークルなりボランティアがあるので、それらを活用するのもよし。
とにかく孤独にならないことが大事なことなんですが。
映画のように、個人主義の国アメリカで、東京の下町みたいな付き合いが存在しているとも考えづらく、其のあたりは、あくまでも映画ですからね。
でも、先程いいましたように方法は、いくらでもあります。
ただ、奥様べったりの旦那が、ある日突然一人になると辛いだろうな。
そんなひとが、老いに向けて準備しているとは思えないし。
そうなったときに、立ち上がれず老いを加速する方の方が、圧倒的。
でも、やがて本当の孤独になってゆく
そう、70歳も過ぎて、健康年齢も過ぎ、地域の活動にも満足に参加できない。
人とのつながりを持つ場が、なくなる、あるいは極端に少なくなる。
本当の孤独が訪れるわけで。
人生の最後に、まことに残酷なんですが、そういうことなんです。
唯一孤独を紛らわすことができるとしたら。
自らの世界を持っていて、そこで無限に広がりを持っていられる人。
そんな人は、孤独を紛らわすことができます。
一人でできる趣味の世界もそうですが。
芸術や文化の世界に深く沈める人は幸せです。
80過ぎて夏目漱石や太宰治全集を読み直すなんて素敵ではないですか。
あるいは、日本の伝統芸能、歌舞伎や人形浄瑠璃などなど、終わりのない深い世界で繰り広げられる人間の姿に共感する。
まあ、歌舞伎はもうアニメとコラボする軽ちゃーになってしまいましたが。
あるいは、クラシック音楽、バレー、オペラなどなど。
そこまで、高尚ではなくても、無限に広がる世界を探求できる人は、孤独と上手く付き合って行けます。
そう孤独は、付き合うものなんです。
映画『オットーという男』公式サイト:https://www.otto-movie.jp/
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