私が小学生だった1970年代(昭和50)年代は、まだ名画座がたくさん残っていた。
JR(当時は国鉄)の各駅に一つあるいはそれ以上の名画座があった。
それらが一つ一つとなくなってゆき、庶民の娯楽のあり様も大きく様変わりしてしまった。
そんな中でも、都内にわずかに残っている名画座の一つが、早稲田松竹である。
JR高田馬場駅から徒歩10分の所にある建物は、1951年に建てられ現在まで至っている。
開館当初は、松竹の封切り館としてスタートしたが、1975年より現在のような旧作2本立てを中心とした名画座になりました。
2002年に休館したのですが、早稲田大学の学生を中心に「早稲田松竹復活プロジェクト」の活動などのかいあって、2003年より本格的な再開となりました。
その後幾度かの館内改装を経て現在に至っております。
座席数も、196席から153席となりゆったりと映画を楽しむことができます。
二本立てとなると、4時間を超えることもあり、このゆったりとした座席と足周りの広さは、うれしい限りです。
更に、うれしいのは、その料金の安さです。
大人1300円、シニア900円という良心的価格がうれしい限りです。
更にスタッフの心配りが素晴らしく、いまのシネコンの様な座席指定ではないので、早い者勝ちということになるのですが。
二本立てとなるとやはり座ってゆっくり見たいですよね。
混んでいる時でも、座席が確保できるかどうかインフォメーションは必ず掲示されています。
入れ替えの際も、手際よく、混んでいる時は入館時に整理番号を渡され、先の番号から順に入場させるので、混乱もなく席取り合戦になることもありません。
また、最後の一つの空席までチエックし客を案内してくれます。
残った一つ二つの席を探し回らなくても良いわけで。
心配りがうれしいですね。
名画座の砦として応援します。
数少なくなった映画好きの憩いの場所として頑張って欲しいです。
上映される作品は、学生の街という性格もあるのか、一般受けしないプログラムもありますが、それもまた貴重。
名画座のよさは、封切館と違って、ある程度ふるいにかけられた作品が上映がされるということです。
比較的当たりはずれが少ないということが言えると思います。
また、並べられた2作品もただ並べて上映されるのではなくて、それを企画した意図があるわけで。
それもまた楽しいですね。
そして、二本見終わった後には、大げさに言うと、自分の人生が変わるかもと思わせてくれることが、大きな喜びです。
自分の行ったことのない国、地域、もう行くことのできない時代、過去、色々な場面に私を連れて行ってくれます。
そんな体験ができる空間、最高ですね。
高齢化が進み、自由な時間を手に入れられる人がもっと増えます。
そんな人達(私も含めて)の為にも、頑張って下さい。
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