好景気から取り残された地域
アメリカのラストべベルト(錆びついた地域)と呼ばれる地域があります。
”ラストベルト the Rust Beltその名の通り、「さび付いた帯状の地帯」。
正確な境界線はないが、ペンシルバニア州周辺からオハイオ州、ミシガン州、インディアナ州、ウィスコンシン州、そして、イリノイ州あたりまでの東部から中西部にかけての五大湖周辺の場所を指す。
アメリカのかつての製造業や重工業の中心地で、1970年代ごろまでは「工場ベルト」「鉄鋼ベルト」「産業ベルト」と肯定的な名前がついていた。
「五大湖メガロポリス」などという言葉すらあった繁栄の象徴で、かつてはここにアメリカンドリームがあった。
しかしその後、グローバル化によって国内の製造業が中国やメキシコなどの国に出ていく中で産業は衰退し、土地は豊さを失った。
職も夢も失ったラストベルトの人々の投票が鍵を握り、2016年の大統領選でトランプ大統領が勝利を収めた。
ラストベルトの動向は、2020年11月の大統領戦でも注目を集めている。(『行きどまりの世界に生まれて』オフィシャルサイト)より引用”
(ウィキペディアより引用)
物語は、その地域、イリノイ州北部ロックフォードでカメラを回し続けた少年達のドキュメンタリーです。
彼らの12年間を追った作品です。
少年達の日常を淡々と追い続けるカメラ
カメラを回したのは、少年達の一人で彼は、イリノイ大学に進み映画を志しこの作品を完成させました。
出演するのは、彼とその友人2人合わせて3人の成長期とでもいいましょうか。
しかし、産業の衰退した町での彼らの生活は、そう簡単には行かないようで。
家庭内暴力、親の離婚、どの家族も問題を抱えて、その中で彼らは多感な時期を過ごすわけで。
彼らが夢中になるのは、スケボー。
映画でもスケボーに興じる彼らの姿が生き生きと描かれております。
彼らにとって唯一の拠り所と言える、スケボーと仲間の繋がり。
いままで、スケボー少年にはあまりいいイメージはなかったのですが。
近くの大きな公園があるのですが、そこには必ずスケボー少年が群れをなしていて、中にはタトゥーを見せているのもいて、今までは、なにか近寄りがたい雰囲気感じていたのですが。
溜まり場とでもいうんでしょうね。
でも、あってもいいんですよね。
居場所があるって大事なんだと。
拠り所があるからやって行ける。
この作品を見てるとそんな事を感じます。
彼らを見てると、確かに厳しいけどまだましな方だと感じてしまいます。
自分自身は、彼らほど大変な境遇ではなかったのですが。
まだ、アメリカはましな方だと。
それに、まだ若いし。
這い上がろうとすれば、可能性が残されているということが。
確かに底辺の仕事からのスタートなんですが。
ただ、家庭や家族をもっていて、誰かを養わなければならないとなると、仕事はあるけど、賃金の安いのばかりという現実がのしかかってきますね。
注目される大統領選挙
2020年アメリカ大統領選挙が行われます。
トランプが、前回勢いに乗れたのは、民主党の支持層の多いラストベルトで勝利を治めたから。
今回は、どうでしょう、強いメッセージを発信出来るでしょうか。
あと何と言ってもコロナ禍だという事ですね。
世界経済も今後混迷を深めて行くでしょうから、その行方は私達にものしかかってくるのではないでしょうか。
ラストベルトの現状が、他人事ではなくなる日も来るかもしれません。
まずは、慎重に生活して行きたいと。
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