『狼をさがして』連続企業爆破事件から45年、首謀者たちの今

映画『狼を探して』のポスター映画館

韓国人女性監督によって韓国に向けて作られたドキュメンタリー『狼をさがして』。1975年に日本で起きた武闘派左翼系グループ、テロリスト集団「東アジア反日武装戦線」による連続企業爆破事件。なぜ、今この作品が作られたのか、考えてみませんか。

東アジア反日武装戦線

45年前連続企業爆破事件の中心となったグループです。

グループはさらに実行グループ別に、「狼」「大地の牙」「さそり」とわかれています。

1970年代に爆弾闘争を行ったアナキズム系の武闘派左翼グループ、テロリスト集団とされております。

その目的は、東アジアにおける日本の戦争責任、戦後責任の告発

新植民地主義的経済侵略企業への攻撃

というものです。

映像は、そのグループのメンバーの現在を追って進みます。

製作は、韓国、監督も韓国人のキム・ミレ

ですから、グループに対する目の向け方も微妙に肯定的とまでは行かないですが、好意的な印象を受けます。

決して、その武装闘争を好意的にとらえているという事ではないのは言うまでもない事ですが東アジアにおける日本の責任を運動の主軸にすると言う点で、彼らに共鳴するところがあるのではないでしょか。

映画『狼を探して』のチラシポスター

凄惨を極めた連続企業爆破事件

1974年の三菱重工業東京本社ビル爆破事件では、爆風と飛び散ったガラス片等により、三菱重工業とは無関係な通行人を含む8名の方が亡くなっております。

その他8件の爆破事件を起こし、死者こそ出してはいないもの、重傷者をだしております。

一連の事件により逮捕されたメンバーは。

〈狼〉
大道寺将司  死刑
大道寺あや子 国際指名手配中
佐々木則夫  国際指名手配中

〈大地の牙〉
斎藤和    自殺
浴田由紀子  懲役20年

〈さそり〉
黒川芳正   無期懲役
宇賀神寿一  懲役18年
桐島聡    全国指名手配中

未だ、逮捕されていない者や日本赤軍によるクアラルンプール事件(1975)ダッカ事件(1977)において超法規的措置により釈放され、日本赤軍と合流し現在も、指名手配中の者もおり事件は未だ終わってはいないのです。

運動の指導者ともいえる大道寺将司は2017年東京拘置所にて死去しております。

映画『狼を探して』の批評記事

監督キム・ミレ

1964年韓国生まれ。韓国外国語大学ドイツ語専攻を卒業。

その後2000年頃から韓国と日本ほ労働運動や人権問題に焦点を当てたドキュメンタリー作品を制作。

代表作、日本の日雇い労働者を描いた『土方』、2007年韓国で起きた女性労働者の占拠運動描いた『外泊』などがあります。

監督が東アジア反日武装戦線について知ったのは、2000年代前半、大阪釜ヶ崎を訪れ、日本における日雇い労働者の実態を取材したときとされております。

釜ヶ崎には、使い捨てにされ、死んでいった仲間たちの無念を胸に刻んだ、資本家や警察に敵対する活動家たちがおり、彼らから東アジア反日武装戦線の名前を聞いたのだと。

彼女がこの作品を撮ったのは「韓国には、大企業が東南アジアに進出して、現地の労働力を搾取しているという深刻な問題があります。国内でも食堂や農家などで外国人を安い労働力として使っていて、彼らがいなければ経済が回らないほどです。時代が変わっても、東アジア反日武装戦線が過去に投げかけた問題提起と共通するものがあるのではないかと思い、韓国社会に向けて、これを伝えたいと思いました」(ニッポンドットコムより)https://www.nippon.com/ja/japan-topics/c030124/

あらためて、この事件を考えてみる

事件にかかわった犯人は、一連の行為によって罪もない方たちを巻き込んだ闘争は誤りだったと謝罪しております。

事件の凄惨さから、許される行為ではもちろんありません

しかし、キム・ミレ監督が作品を制作するに至った意図については、一考に値するのではないでしょうか。

東アジア反日武装戦線が過去に投げかけた問題提起と言う点です。

シアターイメージフォーラムhttp://www.imageforum.co.jp/theatre/


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