Amazonプライムビデオで見る日本の名画『父ありき』小津安二郎監督

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世界的な巨匠映画監督 小津安二郎、戦前の作品『父ありき』いつの間にか引き込まれる、小津ワールド。今回も見事にやられた感じです。小津の描く日本人って物凄く理想的な均整の取れた、感情の起伏を持った人が出てくるんだけど。そんな人って一部なんだよな。

日本が世界に誇る二大巨匠監督

まぎれもなく、黒澤明と小津安二郎が挙げられると

その一人、小津安二郎監督の1942年(昭和17年)の作品『父ありき』

小津の映画のテーマは日本の家族。

父ありき』でも、母親を亡くした父と息子の絆を描いた作品。

小津の作品には、悪人が出てこない。

海外での評価のひときわ高い小津作品

外国の方たちは、小津作品を通して日本を感じているのかもしれませんが

小津作品に出てくる日本の家族は、庶民風ではあるけれど、けっして庶民ではない事が多く。

『父ありき』でも父親は旧制中学の教師であり、息子を大学まで上げている。

現代ならともかく、戦前の日本で、子供を大学まで上げられるのは、中流より上の家庭である。

ですから、小津作品を見て、これが日本だと海外で評価されるのもちょっと違うような気がするのですが。

小津作品を見るといつも思う事

それでいて、小津作品を見ていると、日本人って良いよなと思ってしまうのです。

そのあたりは、小津マジックなのでしょうか。

現実とは違うと思うのですが。

台詞は平板で、決して大きな抑揚はつけない

カメラは、ロングショットで対象人物からそれることなく、相い対峙する。

演技と言うほどの演技もない

ただ、淡々と時が過ぎて行く

そんな映像が、延々と続くと何とも言えない、小津ワールドに引き込まれて行く

世界的監督ですから、いまさら私がああだこうだ言っても始まらないでしょうが。

理想的な親子像

自分の息子は、こう育って欲しい。

自分の父はこんな人であってほしい。

戦時下ということもあるのか、絵に描いた様な親子像が描かれております。

息子が、父親が選んだ結婚相手を何の躊躇もなく受け入れる。

現代では、到底考えられない時代。

息子が、気味悪い位素直なのが、理解しがたい感じがするのですが。

その気味悪さを自然に感じてしまうのが、小津映画の特徴なのでしょうか。

そんな、小津ワールドの一端を垣間見る様な作品です

Bitly

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