新宿k’sシネマにて6/11まで開催されている、台湾巨匠傑作選2021 侯孝賢監督40周年記念 ホウ・シャオシェン大特集。その中から監督初期の作品『坊やの人形』、台湾ニューシネマの幕開けを飾る作品です。1960年代の台湾庶民の息使いが伝わってきます。
庶民の息使いを追い続ける傑作
新宿k’sで開催中の台湾巨匠傑作選2021 侯孝賢監督40周年記念 ホウ・シャオシェン大特集https://www.ks-cinema.com/movie/taiwan2021/
その中で、台湾ニューシネマの幕開けを告げるホウ・シャウシェン監督の初期の傑作、『坊やの人形』(1983年)。
作品は「坊やの人形」「シャオチの人形」「りんごの味」の三篇からなります。
「坊やの人形」
貧しい夫婦に、一人の子供が授かる。
そのうれしさにあふれた作品。
あまり説明するのが野暮な作品。
「シャオチの帽子」
圧力鍋を売り歩くセールスマンと少女の出会い。
そんな、内容でしょうか。
どこか、「伊豆の踊子」をほうふつさせる作品です。
「りんごの味」
都市部の貧民窟で生活する一家の大黒柱の父親が交通事故に遭うお話です。
轢かれたのはアメリカ軍の車で、手厚く保護されるのですが。
かえってそれが、互いの国の格差を浮き彫りにさせています。
ユーモラスに描かれていて、ほのぼのした気分にさせてくれます。
庶民の目線から描かれている作品。
それまでの台湾映画とはちがう視点で描かれている、台湾ニューシネマ。
その魅力が詰まった作品です。
まさに、台湾の庶民の息使いが聞こえてくる、生きた作品です。
かつては、私達日本人もこうだったよな。
そんな、懐かしさと郷愁を感じさせてくれます。
そのあたりが、ホウ・シャウシェン監督の魅力でしょうか。
まだ、特集期間は続きますので、可能であればスクリーンで楽しんでいただければ幸いです。
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