『鋼の錬金術師 スクーの復讐』を見た、演技人もしっかりして、映像処理も申し分ない。だけど何かが足りない、そう物語としての奥行を感じないのだ。このあたりが、劇画の映画化という限界なのだろう。物語の奥行などと言う事が求められない時代が悲しい。
2001年からの連載コミック
原作者は、荒川弘氏。
月間「少年ガンガン」に連載される累計8000万部をこえるヒット作品。
当然映画界もヒットしてなんぼの世界ですから、目を付けたんでしょう。
CGを駆使し、見事な映像処理、しっかりした演技人。
でも、所詮劇画なんだよねと初老の私は、思ってしまう。
あくまでも、劇画の世界のおはなし。
日本映画界は現在アニメ全盛、それと原作劇画の実写化。
アニメを愛するのはわるいことではない。
しかし、アニメや漫画をとうに卒業してしまった私には、現状を奇異に感じる。
おまけに、歌舞伎と言われる古典芸能の分野にまで、その傾向が及んでるのを見るにつけ、嘆かわしい。
それが、時代の流れなんだろうな。
物語に奥行きを感じられない。
『鋼の錬金術師 スクーの復讐』を見ていてそう感ずる。
子供の頃見たアニメは、「鉄腕アトム」「鉄人28号」、後実写版の「ウルトラマン」などであろうか。
所詮子供の見るものであるから、物語に奥行きなどありえない。
単純明快、勧善懲悪、ヒーローの活躍そんな三要素で構成されていたと。
『鋼の錬金術師』は、これらの要素を多少複雑というか、大人向けに趣向を凝らしたに過ぎない。
そう、明らかに奥行きがないのだ。
そういう作品が求められる時代なのだろうか。
そんなこと言うと年寄り扱いされるでしょうが。
そうかと思えば、有名小説家原作の映画化にフェチ的熱狂する人々。
どちらも、偏りすぎてる。
バランスの取れた大人の少なくなった時代なんだと。
時代の流れなんだろうな。
世界的にそうなのかもしれない。
それは、それで仕方のない事とあきらめるしかないのだろうか。
ただ、自分の好む方向に逃げ込むぐらいしかできない。
個の時代だから、それでいいのだろう。
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