スティーブン・キング作品を彷彿させる内容で期待を持たせてくれるのですが、残念ながらそこまでの完成度はない残念な作品です。
駄作ではないけれど
傑作とまでは言い切れない作品。
アメリカの片田舎、保守的土地柄で引き起こされる、連続殺人。
その謎を紐解いて行く主人公の少年。
やがて、意外な結末にという内容なんですが。
途中まではテンポがいいですが、最後まで持たなかったですね。
そして、話の展開にも無理があり。
ラストを見てもなんでそうなるかなというのが正直なところ。
主人公の少年役と演じるチャーリー・プラマーも父親役のディラン・マクダーモットもそれぞれいい演技をしているのですが。
スティーブン・キングの作品を彷彿させる展開ではあるのですが、残念ながらその域までは到達できなかったですね。
アメリカの保守的家庭
絵に描いたような、保守的家庭が舞台です。
日本ではその存在感がどんどん薄くなってゆく父親。
映画では、一家の中心に大木のようにそびえたつ父親。
そして、敬虔なキリスト教徒。
今では、どうなんでしょうこれが典型的アメリカの中流家庭なんでしょうか。
映画のような田舎と都市部では大きく違うのでしょうが。
とにかく、父親の権限というか力が強いですね。
人間のもつ二面性が興味深い
そんな、偉大な父親のもつ二面性。
それが、性的倒錯であったとき、またそれを知ってしまった息子の嘆き。
いくつかの興味深い素材を提供してくれているのですが。
作品としての完成度がイマイチなんですね。
偉大な父親の二面性など、なかなか人間とは複雑で滑稽だと感じさせてくれる秀逸な展開もあるのですが。
残念ながら、最後までそれが生かし切れてなかったのが残念です。
アメリカの保守的家庭という規範が優先される世界。
その規範、理想が立派すぎればすぎるほど、その裏側にある人間としての弱さ愚かさが際立ってくるのですが。
そして、その弱さゆえの事件の核心に迫って行く過程がなかなか良いのですが。
重ね重ね、もう少し丁寧な作りがされていればと残念で仕方のない作品です。
『クローブヒッチ・キラー』公式サイト:https://clovehitch-killer.net-broadway.com/
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