ーネタバレを含みますー
1970年代コロラド州デンバー北部のとある町での出来事。そんな設定が、失踪する少年の物語を不思議と膨らませてくれます。現代だったらSNSを物語の中に入れないとならないですが、そんな手間を必要としない時代。それが、少年の物語を語りやすくしています。
原作者はジョー・ヒル
映画の宣伝文句で、原作者ジョー・ヒルが、スティーブン・キングの息子であることを知った。
あまりにも偉大な父を持つと、つい比べたくなる。
おなじ小説というフィールドで、それも内容がホラーとなるとなおさら。
カエルの子はカエルということだと、あまりにも出来すぎた話ですが。
父親のDNAが働いたという事なのだろうか。
それでも、常に父親と比べられるという宿命を背負わなければならないと。
いや、それでも親の七光りではないですが。
注目を集めるのは間違いのないことで。
となると、映画会社などは、ほってはおかないなどと邪推してしまうのですが。
作品自体はどうなのだろうか、興味はわきます。
1970年代コロラド州デンバー北部のとある町
もうこれだけで、スティーブン・キングの世界に入ってしまうのですが。
中学生と思われる主人公の少年。
飲んだくれの父、母親は離婚していない。
父からの暴力に震える妹。
これだけで、キングの好きな設定と感じてしまいますが、作者はあくまで息子のジョー・ヒル。
少年のハードな学校生活、イジメの凄まじさは、日本とは比べ物にならない。
いや、陰湿さでは、日本のほうがまさってるかな。
パワーこそ唯一の頼れるもの。
そんな、学校生活を送る主人公。
少年を誘拐する犯人との戦い
街で起こる、連続少年誘拐事件。
主人公の少年も巻き込まれ、犯人との戦い。
この時代にいくつかあった連続少年誘拐殺人事件をモチーフにしてるのは、すぐ分かるのですが。
映画では、犯人はなぜ少年を誘拐するのか、その動機は最後まではっきりとはしません。
過去の実際にあった事件は、性的欲望を満たす快楽殺人。
そんな要素があったと思うのですが。
この作品は、そのなぜかが出てきません。
製作者サイドの考えは、あえてはっきりさせないことで、人間の不条理な心理を浮かび上がらせようとしたようですが。
どこか、つかみどころのない感じを残してしまっているのも事実。
犯人の目的をある程度出したほうが、いいのではと思ってしまいます。
そのほうが、見ている者としてあの場面は、あの行動は犯人の目的では説明できないな。
なぜ、そんな行動をとったのだろうか。
そんな流れのほうが、人間のつかみどころのなさが、よく出るように思うのですが。
なんとなく、作り話的に終わってしまうのが残念です。
皆様は、どう感想を持たれたでしょうか。
映画『ブラック・フォン』公式サイト:https://www.universalpictures.jp/micro/blackphone
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