昭和中期の東映映画2本を国立アーカイブスで。個性的で新鮮に感じます

映画フィルムのイメージ画像 映画館

『虎狼の血』『虎狼の血 LEVEL2』と東映作品に触れた昨今、かつての東映映画の隆盛期を物語る作品2本を国立アーカイブスで拝見いたしました。日本映画界の中にあって異色の路線を歩んだ東映。その歩みの中には、現代日本人が忘れてしまった元気さに満ち溢れてます

『花札渡世』1967年作白黒作品

主演梅宮辰夫の任侠映画です。

いわゆる博徒の生活を送る主人公のお話

時代は、昭和の第二次世界大戦前。

軍国主義の足音が聞こえるそんな時代。

そんな中にあって博徒(ばくち打ち)として生きる主人公。

これが、白黒のフィルムと妙にマッチして。

何とも言えない、新派のお芝居でも見てるかの趣

様式美とでもいいますか、今の作品では到底味わえない古風な雰囲気がいいですね

東映映画のかつてあっただろう(今もあるかもしれませんが)職人技の仕事

そう、かつての日本映画界が築き上げてきた、活動屋のお仕事感が味わえます

日本映画界が黄金期にあった頃が懐かしいですね。

大戦前夜の社会情勢と合わせて、なんとも趣深い作品に仕上がっております。

参考サイト:ウィキペディアhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%B1%E6%9C%AD%E6%B8%A1%E4%B8%96

『実録 私設銀座警察』1973年公開

こちらは、カラー作品で。

第二次世界大戦直後の銀座が舞台

闇市と飲食店あらゆる混乱・混とんの中で、力でのし上がろうとする群れ

戦後の闇市の描写が、エネルギーに溢れている

あの当時を知っている方達が少なくなった今、貴重な作品かもしれない。

それくらい、闇市と占領軍、暴力団、復員兵これらが織りなす世界を見事に描いています。

今の銀座からはとても想像出来なのですが。

しかし、こんな時代があって今の時代があるということを認識するのは大事だとおもうのですが。

まさに、群像劇ですね。

もはや、これだけの作品を作るエネルギーが今の日本にあるかどうか

時代が違うと言えばそれまでですが。

かつて、そこにはあった人の流れ、営み、生きることへの強い渇望

今の時代それらが希薄になった感があるのですが

それだけ、幸せになったということでしょうか。

なにか、その分大事なものを置き忘れているように感ずるのは、私だけでしょうか。

映画『実録私設銀座警察』ウィキペディアhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9F%E9%8C%B2_%E7%A7%81%E8%A8%AD%E9%8A%80%E5%BA%A7%E8%AD%A6%E5%AF%9F

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