近くて見えにくい国、中国の今
中国の映画監督ディアオ・イーナン何かと注目の監督です。
9/25から公開される話題作『鵞鳥湖の夜(がちょうこのよる)』http://wildgoose-movie.com/の監督です。
この作品はカンヌ国際映画祭で『パラサイト』と並んで話題をさらった作品です。
英語題では『Wildgoose Lake』こちらの方がかっこいいんですが。
邦題が、何とも冴えない感があるのですが。
監督デビューは2003年長編『制服』でロッテルダム国際映画祭で特別賞。
2007年『夜行列車』でワルシャワ国際映画祭でグランプリ受賞。
その後7年ぶりの長編が今回紹介する『薄氷の殺人』になります。
その後の作品が『鵞鳥湖の夜』になります。
1週間限定の公開です。
今回の限定公開は、『鵞鳥湖の夜』の公開に合わせた特別公開となります。
新宿シネマカリテにての1週間限定公開になります。(9/18~24まで)http://qualite.musashino-k.jp/movies/10636/
上映時間も午後9時からの一回だけなので、なかなか足を運ぶ機会は難しいかと思いますが。
Amazon Prime Videoでも見ることが出来ます。https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B073HGS7NK/ref=atv_dp_share_cu_r
シュールな映像が魅力『薄氷の殺人』
作品は、殺人事件を巡るサスペンスなのですが。
何と言っても魅力は、その映像の力ではないでしょうか。
モダンでシュールなロングショットが独自の雰囲気を醸し出してます。
サスペンスの方は、そう謎解きの難解さはないのですが、正直わかりにくいのも確かです。
後から頭を整理して考えると、あるいは解説を見ると理解できるのですが。
解説を読んで理解すると言うのは、ちょっと悲しいですが。
そんなに入り組んだサスペンスではないです。
作品としては、謎解きには重点を置いてないのではないかと感じさせます。
それよりも、映像処理に惹きつけられる魅力があります。
そう、そこには日本から近いのにその様子がいま一つわからない中国庶民の生活感を感じられることです。
殺伐として活気のない街の様子、決して清潔とは言えない屋台や食堂の風景。
そして、庶民の生活。
改革開放政策で、平等感が無くなり、富める者が先を行く社会。
そこに存在する冷たい格差社会。
金がすべての成金。
それら社会の暗部を映像の流れの中で、感じさせてくれます。
新しい感覚を持ったディアオ・イーナン監督。
アジアの中で楽しみな監督の登場で、また映画が楽しくなります。
『鵞鳥湖の夜(Wildgoose Lake)』も楽しみです。
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