東映映画は、今の日本映画界では異色だ。その昔『仁義なき戦い』で一世を風靡したように、日本の裏社会を描いてきたパワーは健在だ。そんな実力を思う存分ぶつけてきた『虎狼の血』そしてその続編の『虎狼の血 LEVEL2』。しかしもっと現在を描いて欲しいと思うのは、私だけだろうか。
どうしても前作と比べてしまう。
前作は昭和60年の広島が舞台。
そして、今回の舞台はその3年後。
このあたりの設定が微妙にいいのか悪いのか。
『LEVEL2』は、原作にないオリジナル脚本。
前作は、何と言っても役所広司の刑事役が、実にはまっていた。
だから、松坂桃李の新前刑事も生きていたのですが。
今回は、役所広司はいなく、松坂桃李が主役。
やはり、前作のインパクトが強かっただけに、今作品は継ぎ足しの感が否めない。
原作にないオリジナル脚本の限界か。
前作にあった背筋の凍る様な暴力描写、裏社会の非情さがリメイクの範囲を出ていない。
過激であればいいという事ではないのですが、何か物足りない。
柳の下の二匹目のドジョウ狙い感を感じてしまう。
しかし、そこは東映、お得意の分野でその映像、演出は冴えまくっている。
裏社会の今を描いてほしい。
とふと思ってしまう。
作品は、昭和60年代なので、暴対法以前のお話。
あれからもうすでに20年の時が過ぎようとしています。
社会の変容もかなりのはずで。
いま、いったい裏社会はどうなっているのだろう。
そんな作品が出てこないのが不思議なくらい。
東映には、その辺りの作品を映画化してもらいたい。
『虎狼の血 LEVEL2』を見ても、東映パワーは健在だ。
大人しい作品の多い日本映画会の中にあって、異才を放って欲しい。
東映には、アウトロー作品があっている。
『虎狼の血 LEVEL2』公式サイトhttps://www.korou.jp/




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