『ナイトメア・アリー』’40年代をファッショナブルに妖しく描き出す

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1940年代のアメリカの見世物小屋という、それだけで興味注がれる舞台設定。流石ギレルモ・デル・トロにかかると妖しく猥雑な世界も見事にファッショナブルな舞台に。どうぞ、そんな世界をのぞき見してみてはいかがでしょうか、何か新しい発見があるかも。

監督ギレルモ・デル・トロ

有名なのは、アカデミー賞作品賞を取った、『シェイプ・オブ・ウォーター』でしょうか。

正直この作品が、オスカーですかと思ったのも事実。

政府の極秘研究所で清掃員として働く女性とアマゾンから連れてきた半魚人との恋愛。

なんかとてつもなく突拍子もなく、別にどうでもいいけど勝手にやって

そう思ったのは、私だけなのでしょうね。

なにせ、アカデミー賞作品賞ですから。

ファンタジーロマンスといった部類になるのでしょうか。

どこか、ディズニー映画でも見るかのような趣を感じたのですが。

ただしこの映画R18ですので、あしからず。

そんな監督の最新作ですから、やはり推して知るべしかな。

劇画調とまでは言いませんが。

アメリカンコミック風の世界が、繰り広げられます。

ただ物珍しさの映画で終わらないのは、流石。

このあたりは、オスカー監督の面目躍如といったところか。

1940年代のアメリカの見世物小屋が舞台

レトロ調満載、怖いもの見たさの観客のハートをつかみます。

読心術を武器に、ショービジネスの世界でのし上がって行く主人公の栄光と転落。

この落差をたっぷりと見せてくれます。

読心術と精神科の心理療法と絡めて描くなんぞ、なかなかやるね

今でこそ、心理療法は多少は知られるようになったのでしょうが。

1940年代に心理療法家を活躍させるなんぞ、物語を深くしてくれます。

心理療法自体、お金持ちの受けるものと言うのが、一般的だったのですが。

まともな、臨床心理士による心理療法は、現在ならワンセッション¥20000~なんていうのが、ざらですから。

まあそこは、ピンキリで安い心理療法もありますが。

きちっとした心理療法家は、かなりの経験と鍛錬を必要としますから。

やはり、現代でも贅沢な治療法の分野になるんでしょうね。

この映画が、成功した理由。

ズバリ、読心術と心理療法家の対決でしょうか

読心術となると、民間療法の分野になりますね。

この危険性も映画で描かれていて。

このあたりも、心憎い。

この対決を軸に、主人公の栄光と転落をドラマティックに。

なにせ、’40年代のアメリカの見世物小屋なんて、猥雑で怪しい魅力に溢れた舞台で

その設定をチョイスした時点で、ギレルモ・デル・トロの勝ち

そんな作品でしょうか。

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