真夏のホラー、この映画は拾いもの『Xエックス』タブーに挑む新鮮さ

映画フィルムのイメージ画像 映画館

ーネタバレを含みますー

アメリカの田舎、世間から取り残されている感がホラー映画を盛り上げる。アメリカンホラーの定番的設定だけど、見事にはまった。お馴染みの展開かと思わせたところに、老人の性と葛藤というタブーの領域に踏み込んで、物語を奥行きのある恐怖に導く、上手い。

B級の雰囲気がまたたまらない作品

1979年テキサスの田舎。

ポルノ映画の撮影に来る、3組のカップル。

訪れるのは、さびれた農家の老夫婦の今にも吹き飛びそうな、老家屋。

設定と画面を通して伝わってくるB級感がたまらない

アメリカのド田舎の雰囲気が、さらに臨場感を盛り上げる。

場末感というのか、SNSもインターネットなどもちろんない。

そんな田舎の退屈が画面から伝わってくる。

そう、アメリカのド田舎とは、こんなところだと。

そこで繰り広げられる、身の毛もよだつストーリー。

まさに、真夏に打ってつけ

老人の性というタブーを映像化

誰も見たくないよね。

そんなものをあえて映像にするにくさ。

いままで、誰もやってこなかった発想がいい

場末の農場に訪れる、売れないポルノ映画撮影隊。

彼らを待ち受ける老夫婦。

年取ると性欲は弱くなると一般的には言われている。

しかし、いやかえって強くなるんだという精神科医もいる。

そう、忘れたくても忘れらえない快楽への渇望。

衰えてゆく肉体とは、裏腹にあの時の感覚を今一度。

そんな願望を見事に、映像化している。

訳ありの老夫婦とは、いったい何者

撮影隊と老夫婦のバトルとその後。

映画はラストに続編を暗示して終わる。

そう、時代をさかのぼってこの老夫婦の過去を暴く。

実に巧妙なつくりだ。

映画の中で、白黒テレビから牧師のメッセージが流れ続ける

このあたりも、本当に心憎い。

70年代のテレビ伝導が盛んだった頃の雰囲気が、映画をリードして行く

そう、人の営みは、実に愚かしく悲しい。

続編を見たくなる。

製作者に見事にはめられた。

この夏の拾い物のホラーだ。

映画『Xエックス』公式サイト:https://happinet-phantom.com/X/

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