B級映画には、それなりの楽しみ方がある。作る側は、アイデアで勝負してきているのだから、多少の作りの雑さは目をつぶって下さいと言うことに。以上のお約束を守れるなら、『コ死:デスロワイヤル』はそれなりに楽しめます。韓国社会の歪みを垣間見る思い。
『コ死:デスロワイアル』
前回『ヒノプシス/催眠』に続きの鑑賞です。
よりすぐりの韓国ホラーのキャッチコピーに期待しすぎた感がありますが。
一つの作品として見たときに、それなりに楽しめる作品ではあります。
韓国の学園ホラーとでも名付けたらいいのでしょうか。
いわゆる、復讐劇なのですが。
そこは、韓国の熾烈な受験戦争を背景に、歪んだ青春像が描かれており。
なかなか、韓国の若者も大変だと感じさせられます。
日本では、大学進学率は50%ですが、韓国ではすでに80%に達しております。
それでいて、卒業後の就職率が50%そこそこと、結構屈折した事情がうかがえて。
それに、地縁、血縁、地域間の対立や、こねが作用する就職戦線。
結構複雑なお国ではあることが、察せられるのですが。
そんな歪みが、生み出す負の力。
そんな背景が、作品に影響しております。
なんか無理のあるストーリー展開。
事件は、高校三年生の夏休みの受験対策の合宿。
選ばれた生徒だけで、校舎で。
鍵のかかった校舎で、繰り広げられる復讐劇となるのですが。
一人一人と消されてゆく。
鍵がかかっているので出られない。
怯える生徒たち。
と、ここで見ている方では、一つ不可解なことが。
そう、なぜ皆脱出しないのかな。
なんで、殺されるの待っているんだろうって。
鍵がかかって出られないからという事なんですが。
でも、ここ校舎ですよね。
窓ありますよね。
それ、破って脱出したら。
と思ってしまうのですが。
なぜか、一人一人けされるのを待っている。
強化ガラスだからでしょうか。
でも、誰一人として破ろうとはしない。
ラストになって、やっとガラスを破って脱出するのですが。
思わず、最初からそうしたらと思ってしまうわけで。
そんなこと思ってしまうのは、私だけでしょうか。
B級映画というカテゴリー
ということになります。
あくまでも低予算で作られた作品。
昔からこのカテゴリーはありまして。
それはそれで、肩こらず見ましょうということになるのです。
となると今回の企画もうなずけるのです。
『ヒノプシス/催眠』もしかり今回の『コ死:デスロワイアル』もそうなるのです。
まあそれでいて、両作品とも韓国社会の闇とでもいいますか、そんな部分に切れ込んでいこうという姿勢は、いいですね。
B級ならB級なりに同じ料金を取るわけですから。
当然そこには、工夫と企画、大作や大手の企画にない新鮮味を感じさせないと。
となると、今回の2作品はそれなりに楽しめます。
こういうカテゴリーの作品が多く出てくるのも、映画大国になった韓国ならでは。
エンターテインメントの分野では元気です。
まあ、国家が映画に対して結構バックアップしてます。
ただその分、政府の顔色うかがってとなるとつまらないのですが。
最近の韓国映画で、微妙に感じることなのですが。
しばらくは、その動向に注目と言ったところでしょうか。
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