ーネタバレを含みますー
催眠療法、まだ一般的には馴染みのない治療法ですが、精神科の領域ではおなじみの治療法。そんな、催眠という手法を使って、人間の無意識の中になにか植え付けられたら、モチーフとしては面白いのですが、ちょっと話ができすぎているのでは、あくまでもフィクション。
キャッチコピーほど怖くない。
「待ち受けるのは、選りすぐりの恐怖映画5作品。新たなトラウマの生む本気の韓国ホラー特集!」
といかにも期待を持たせてくれたのですが。
まあ、怖い怖くないは、見る人の感性に関わることで。
その点、かなり鈍い小生にとっては、イマイチ感が漂う鑑賞感です。
幽霊や怪物がでてくるわけでもなく、どちらかというと人間の闇とか暗部を題材にした作品。
本当は、人間ほど怖いものはないのですが。
その闇というのが、わかりやすく逆に物足りないといいますか。
掴みどころのない人間の暗部にせまるところまで行ってないのが、残念です。
『ヒプノシス/催眠』
キーワードは、催眠療法。
これってかなり昔からあるのですが。
最近結構一般にも知られるようになって。
映画の題材になることも多いですね。
もともと精神科医とか、臨床心理士が用いる治療法で、保険はききませんので、おのずと自費診療となります。
ワンセッション¥10000~¥20000とか、制限はありませんので。
高額な治療法となります。
治療は、一回や二回で終わるわけではなく、長期間必要となることが多いようです。
よって、いわゆる富裕層と言いますか、ある程度の所得がないと受けられないわけで。
なにせ、患者の無意識に入っていって、それを必要に応じて意識上に引き出すのですから、かなりの熟練を必要とします。
手間がかかるわけで、つまり精神的症状を抱えた患者に対して、効率が悪い。
言葉がわるいですが、経営上薬を処方していたほうが、と言う流れになるようです。
ただ、精神的な症状に苦しむかたの根本的治療には、有効ですから。
興味のある方は、精神療法というキーワードで検索されると良いと思います。
催眠療法を題材にしておりますが。
たしかに、理論上は映画のストーリーは成り立つのかなと思いますが。
ちょっと出来すぎている感があります。
治療の場面でさえ、なかなか上手くゆかないのに。
その処術を施した事により起こる事故と、その後の復讐劇があまりにも上手く行き過ぎるのが、不思議です。
あくまでもフィクションなので、作者は、催眠療法、その弊害、無意識下に押し込められた感情。
一つのキーワードで、押し込められた感情が浮き上がり。
そして、謎解きとそこに潜む復讐劇と。
素材としては、ありだと思うのですが、あまりにも上手く行き過ぎるところに、作り物感がいなめないです。
真に怖きは人間かな
この命題からゆくと、この作品は、なっとくできるのですが。
人間の意識をコントロールすることが、実はできるということ。
しかし、それはある種の危険が伴うということ。
ですから、治療の現場では、ごく限られた人しかできないこと。
逆に民間療法で、これを謳っているところの怖さ。
人間の無意識下というものの存在。
それは、無意識という領域にいる必然があるから無意識下にあること。
その無意識を処術することの、怖さと難しさ。
そう、そんな人間の無意識の怖さを覚えるのには、適した作品かもしれません。
絶叫!コンポヨンファ(공포영화 )フェスティバル2022サイト:https://horror2.jp/54932




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