映画『スイート・マイホーム』家を建てるのは、お金持ちのすること。

映画『スイート・マイホーム』ポスター 映画館

映画『スイート・マイホーム』念願かなってマイホームを手に入れる。その人にとっては人生の一大イベントですね。しかし、そこには大きなリスクがあることをユメユメお忘れなく。いろんなリスクを一つの出来事にまとめた作品でしょうか、持ち家なんてやめましょう

マイホームという幻想

高度成長期から私たちは、ものを持つことが、幸福になることだと思っていた。

映画は、見事にその幻想を打ち破ってくれる。

具体的なストーリーはさておき、この映画は、いくつかの興味深い考察に満ちている。

かつて昭和の高度成長期の初期は、各家庭にテレビ、冷蔵庫と家電製品を購入することから始まった。

やがて、それが車の所有となり。

最終目的が、マイホームということになった。

誰も、このマイドリームの実現を疑わなかった。

でも、これってお役人さんと企業の戦略に過ぎなかった。

自動車メーカーは、多くの従業員を抱え、組合を抱え。

その票は、政治家の票田になり。

メーカーは、あらゆる規制を有利にするため政治家に近づき。

持ちつ持たれつの関係ですね。

これが、住宅メーカーにも当てはまる。

宅地開発、ニュータウンの建設。

時には、鉄道会社も巻き込んで。

もう、政治家にとっては、利権の山ですね。

まんまと載せられた我々庶民。

まあ、ものが増えて生活が便利に豊かになって。

土地は値上がりし続け、給料も増えて。

高度成長期は、そんな時代でしたね。

だから、自分もいつかは、家を持ちたいというのは、自然成り行きなんですが。

そんな夢を実現してゆく『スイート・マイホーム』の一家。

しかし、そこには予期せぬ意外な展開が待っているのですが。

まあその結末はさておき。

それだけ、家を建てるというのは、大きな作業で、ものすごいエネルギーのかかることだと。

だからこそ、無理して家など建てないほうがいい

よくあるケースが、「家に殺される」という言葉。

無理して家を購入したはいいが、遠距離通勤。

そして、家というのはお金のかかることで、維持費もあるし、スペースが広くなった分光熱理もかかるし。

そこに、子供の教育費。

お隣近所との見えの張り合い。

いわゆる隣の芝生ですよね

どうしても、比べてしまう。

そこに少しでも返済を楽にしたいと、妻はパートに、旦那は残業で頑張って。

お互いすれ違い生活で、喧嘩が絶えず。

無理がたたって、旦那は病気で亡くなる。

極端な例ですが、あながち現実からそう離れてはいないのでは。

作者は、実際にマイホームを建てたことがあるのでは

そう思わせるところが随所に見られます。

ほとんどの人が、住宅ローンで、一戸建てを建てると思うのですが。

今の一戸建てって、空気循環器システムが装備されてないと、金融公庫の融資が受けられないんですよね。

24時間で、家の中の空気をすべて入れ替えるというシステム。

なぜかというと、今の住宅って接着剤の使用がやたら多くて。

壁紙はもちろんのこと、構造体にも至るところに使われていて。

それが、人体にとってはあまり好ましくない。

ホルムアルデヒドによるアレルギーなど引き起こす可能性があり。

よって、この空気循環器システムがないと融資が下りないわけで

どうです、そんな家に住みたいですか。

でも、これが現実です。

住宅メーカーという最強のセールスマン

庶民にとっては、一生のうちで最も高い買い物が家ですね。

ですから、それを売る住宅メーカーのセールスマンも抜け目がありません。

相当の訓練を受けております。

当然なのですが、そんな最強セールスマンにかかったら、人のいい庶民は、イチコロ。

相手はこちらの言うことを何でも聞いてくれます。

そう思わせてるだけなのですが、このあたりが、一流のセールスマン。

住宅展示場に行って、気に入ったメーカーに出会う。

相手は、こちらの年収から幾らのローンが組めるか。

そこから、逆算してきます。

ローンが組めそうとわかったら、もう離しません。

あとは、借入限度額まで借りさせる筋書きを作ります。

抵抗しても無駄、相手は最強のセールスマンですから。

気がついたら、当初の予算をオーバーして、35年の最長の返済の極度額まできてしまう

じゃあ持ち家は諦めるのか。

そうとだけとは言えないところですね。

例えば、家を建てたご主人は、休み日は家の庭や、家のことをアレコレするのが大好きで、ほぼ出かけることもなく我が家のことに没頭する。

こんな人は、我が家を持ってもいいのじゃないですか、大げさにな言い方をすると、我が家に人生のすべてを捧げる、趣味は我が家。

こういうタイプは、向いていると思います。

ただし、ローンを組むならできるだけ若い時、できれば20代で。

そして、返済は最低定年までには終わっていること。

これ必須条件です。

考えても見てください、35年間順風な人生ってあると思いますか?

良かった景気も、いつしか怪しくなり。

会社での居場所が無くなって。

そんな時でも、ローン抱えているとおいそれと転職なんてできませんよ。

あるいは、病気になって。

とにかく人生何があるかわかりません、35年ローンというのは、その間無事な人生を前提としていますから。

さあ、決心をして家を建てましょうか。

それだけ家を建てるのは、エネルギーが入ります。

そう新築の家には、いろんなエネルギーが集中するんです。

映画『スイート・マイホーム』は、そんな新築の家に集中するエネルギーを題材にしてます。

エネルギーには、負のエネルギーもあることにご注意ください。

映画『スイート・マイホーム』公式サイト:https://sweetmyhome.jp/

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