『名もなき塀の中の王』孤独な少年が刑務所の中で出会ったもの。

映画フィルムのイメージ画像 映画館

怖いもの見たさの刑務所

世間では、あまりその実態は解らない刑務所の中っていったいどうなってるんだろう。

それも、日本ではなくてイギリスの刑務所

映画は、2013年英国製作、舞台はロンドンの刑務所

19歳の少年が収監されるところから映画は始まります。

少年院ではもてあます暴力性から成人の刑務所に移送されてくるのですが。

まさに、歩く凶器のような存在の主人公

成人の刑務所に来てもその素行は変ることもなく、問題ばかり引き起こす日々。

しかも移送された刑務所には、終身刑に服している父親がいるという設定

まあ、なかなかない物語でしょうが、そこが映画、どんなドラマを作ってくれるのか。

しかし、これがなかなか見せてくれます。

刑務所という閉鎖的空間、そして刑に服する犯罪者達。

一人一人にドラマがあり人生がある、それらが一つ所で空間を共有しなければならない。

おのずと、一つの社会とも言うべきものが出来てくるのも必然。

なんでもありの刑務所

作品を見た感想です。

本当にそうなのかはわかりませんが、そう住みやすい所ではなさそうです。

さらに、上手く立ち回らないと命さえ危険にさらされる

逃げ場所がないだけに、ドラマが濃くなりますね。

看守や所長も一筋縄では行かない人々、そして受刑者との駆け引き。

そんな中にポツンと入ってきた狂暴な少年、暴力が日常的に描写されます

刑務所にまで落ちてきて初めての父親らしさ

ただ、暴力だけに頼る息子に、父親は刑務所で生きて行く術を教えるのですが。

聞くわけもない息子。

まあ最後は、父親らしさを見せるのですが。

お互いにここまで来ないと実現できなかった親子関係の修復が皮肉です。

狂暴なだけの主人公の変化

このあたりが、この作品の見どころですね。

見終わった後に残る感想としては。

怒るには遅い方が良いということでしょうか。

怒りをすぐ爆発させるのではなく、怒りをコントロールする

それには、怒るには間をおいてと言うか、一度深呼吸をしてから、そうすると怒りが小さくなってゆくのがわかります。

つまり、先に述べたように怒るには遅い方が良いということではないでしょか。

いままで、怒りをコントロールできなかった主人公の変化と父と子の情愛がこの作品のテーマでしょうか。

怒りに身を任せて人生を狂わせてきた者たちの物語でしょうか。

自分には縁がないと思っていても、人生ひょんなとこから踏み外さないとも限らないので。

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