ーネタバレを含みますー
『梟』主人公は、盲目の鍼師、だけど暗闇ではかすかに見える、このあたりが謎解きの付箋なんですが、物語がありきたりで、お茶の間時代劇の域をでない。わざわざ時代を遡ってセットにもお金をかけて、そこに人間の性が映されないと、無駄な出費に担ってしまう。
時代劇を見たくなる理由
歴史上の人物なら、ある程度定まった評価があり。
だけど、作品では、違った方向から考察してみたり。
新たな解釈があったり。
それを通して、作品としての存在価値が出てくると思うのですが。
今回の内容は。中国清の時代の韓国のお話。
その韓国の王は、高齢で、そこに清に人質だろうか、取られていた息子夫婦と孫が戻ってくる。
そして、覇権争い。
謀略渦巻く朝廷。
その息子が、何者かによって殺害される。
その殺害の現場にいて、犯人を知ってしまった盲目の針医。
その彼が、主人公。
今ひとつはっきりしない王子殺害。
実の父が、黒幕なんだけど。
なんで、病弱、老い先そうながくなさそう。
いかにも人の良さそうで、分別ありそうな息子。
息子に家督を譲って楽隠居とならないのか。
そんなに、王位に執着があるのか。
このあたりが、よくわからない。
王の妾にそそのかされたのか。
あるいは、清に色濃く染まった息子に家督を譲ることは、やがて清に滅ぼされてしまうと考えたか。
もう先の見えた老人に、そんなに覇権に執着する理由が、見えてこない。
このあたりが、この作品に深みを感じない理由。
![漁師](https://i0.wp.com/himabu117.com/wp-content/uploads/2023/06/fisherman-2739115_640-2.jpg?resize=600%2C153&ssl=1)
たとえ時代劇でも、人間が描けていれば
そう、人間の根源的悩み。
欲望、嫉妬。
ありとあらゆる人間臭さが描かれていれば。
時代劇だろうと、現代に通じるだろうし。
過去の時代をわざわざ持ち出すのだから、ただの歴史教科書では意味がない。
この作品は、残念ながらそこまで掘り下げられなかった。
お茶の間時代劇の延長で終わってしまっている。
映画『梟』公式サイト:https://fukurou-movie.com/index.html
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