今なお突き刺さる、ビクトルユーゴーの言葉。
2019年フランス製作の作品『レ・ミゼラブル』エンディングロールで写し出される、その一節が、この映画のすべてをもの語っている。
作品の中で暴れまわる、移民の子供たち。
移民の国フランス、ヨーロッパでも多くの移民を受け入れてきた国、当然民族間の軋轢、諸問題、経済的なプラスの面もあるだろうが、本作では、マイナスの面に目をむけている。
その一言では扱えない複雑な問題を、一つの物語として、スピーディーなストーリー展開、ドキュメンタリータッチのカメラワークを駆使し、見事に描き出した作品である。
移民の国、フランスそしてヨーロッパの抱える問題。
それら、あらゆる問題を押し込めた作品の制作者には脱帽である。
問題提起などという上から目線の作品ではない、まさに日常パリ郊外のモンフェルメイユという犯罪多発地域を舞台に、描き出してくれた。
一口に移民といっても、アフリカ系、中東系、ここには出てこなかったが東洋系、それらが複雑に絡み合う街、考え方も違うし、大きくは、日本人にはピントこないが、宗教の違いという大きな問題もある。そしてそこに絡む存在としてロマ(ジプシー)が絡んでくるから、問題の解決はより困難になる。
ああこれがヨーロッパの現実なのだと作品は、観るものを引きずり込んで行く。
見事だ、ただその言葉しかでてこない。
映像のちからに強引に、引きずり込まれた104分であった、
日本だってもはや他人事ではない。
銀座4丁目の交差点に立てばわかるはずだ。
もはや中国語しか聞こえてこない。
そればかりか、建設現場では、中東系、アフリカ系の労働力なしでは成り立たないところまで来ている。
群馬県の大泉村はブラジル村と呼ばれている。
愛知県の知立市にあるUR「知立団地」は、保証人不要で身元の不確かな人間でも入居しやすいUR都市機構の団地で、豊田市の保見団地同様多くのブラジル人が暮らす。
「知立市立知立東小学校」は、2019年の新入生49人のうち41人が外国籍である。
待ったなしの状況が、今の日本なのに、移民を認めないの国のため、彼らの扱いには、安い労働力といういびつな環境が問題となる状況が存在するのが現実。
私たちの出来ること
生活様式、文化、宗教が違うのだから、最初から上手く行くはずはない。
まずは、彼らのあるがままを素直に受け入れることだ考えます。
その上で、お互いの接点を探る地道な活動しかないなと思うのですが。
もう、彼らと共生の道を探る時代に突入してます。
しかし、彼らとて日本に来た当初は多くの夢を抱いていたのだと思うのですが、慣れない異国の地、全てではないが良好とは言えない労働環境。
そして、当初の志を忘れ、甘い誘惑負け、落ちて行くもの。
あげくは、犯罪にてを染めて行くという流れは、想像に難くない、いやもう現実なのです。
『レ・ミゼラブル』という作品は、もはやこれらの問題が他人後とではないことを、私たちに示しています。
日本は、もはや外国人なしではやってゆけない国なのです。
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