映画『新宿鸚哥』かつて第二次世界大戦前まで「魔都」と呼ばれた街があった、それは「上海」。新宿はそんな「魔都」のもつ妖しい魅力を持った街、その街に生息する人々を題材に切り取った作品『新宿鸚哥』。さあどんな人間ドラマが繰り広げられるのだろう。
「ポルダンサー鸚哥」
一本のポールに巻きつくように演じるダンサー
ポールダンサーなる演者がいることさえ知らなかった。
それも惜しげもなく裸体を晒す。
だからと言って卑猥な感じは、映像から伝わってこない。
製作者もそういう目線で撮ってはいないからだろうか。
ダンサーもその恐るべき身体能力
ストリップショーとも違う。
エロスとでもいうのか、昇華された芸術品の域まで達している。
この謎めいた「鸚哥」を物語の中心に進んでいゆく。
カメラマン「まきすけ」
撮りたいんだけど撮れないカメラマン「まきすけ」
もう一人の主人公。
ふたりの出会いとバトルが見どころか。
このドラマの設定に、新宿という街が欠かせない。
人々の表と影の両方を覆い尽くす街新宿。
そこに集う人間には、おのずと魅せられるものがある。
ドラマの要素が、つまった街。
怪しい光を放つ街。
「スマホ」の出てこない映画。
だとすると1990年代前半までの時代設定か、はっきりしない。
映画に「スマホ」が出てくるとややこしい演出が要求される。
おそらく、製作者のメッセージには邪魔なものだったのだろう。
だけどその分今が描けないジレンマを抱えることになる。
つくづく、現代の映画製作者は大変だと思う。
時代設定を決めて描くしかない。
どちらにしても、その辺をはっきりさせて、もっと突っ込んでもよかった。
題材がよかっただけに、物足りなさは否めない。
新宿という街のもつ魅力、魔力を知るにはいい作品。
これからもこの街をもっと作品にしてほしい。
映画『新宿鸚哥』紹介サイト:https://bacchus-tokyo.com/6812/
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