『THE NOVICE ノーヴィス』完璧を求める病に侵される

映画『NOVICEノーヴィス』ポスター 映画館

ーネタバレありー

映画『NOVICE ノーヴィス』両極端という言い方あるけど、まさに人生を右か左かどちらかで、生きていこうとする映画。右もあるし左もあるし、上だって下だって、360度OKだということがわからない悲劇。心の自由を獲得する人生に意義があるのですが。

いつの時代もどこにでもいる、完璧主義者

忙しくなりすぎた、現代社会では増えこそすれ、減ることのない一群。

主人公は、大学新入生。

ボート部に入る。

経験はない。

だけど、一番になれないと気がすまない。

自分は、何でもできると、考えている。

そして、それが達成できなかったりすると、自傷行為に。

お決まりのパターンなのですが。

上手く物語として、見るものに理解させてくれる。

漁師

水辺の映像は必見

とにかく水辺のシーンが、美しい

音楽の効果も上手く使っている。

ほぼ完璧

完璧が主題の映画にふさわしいというか。

それが、かえって主人公の閉塞感との対比がいい。

人間は、何かを目指すものだとは思うのですが。

完璧にと、自分を追い込むのは、いかがなものか。

程度の問題なんでしょうが。

ボート部に入部する、一軍に入れれば、奨学生となる。

そこを目指すものは、必死だ。

それはわかる。

だけど主人公は、すでに特別奨学生。

だけど、一軍入りをめざす。

それはそれでいいと思うのですが。

その求め方、必死さというのが、異常。

その境界を見せているところが、この映画の成功か。

大学スポーツの虚と実。

あるものは、奨学生となるために必死で、一軍入りを目指す。

とにかく、人生の経済的成功を収める、一つの手段なんだけど。

アメリカの名門校、勉強との両立。

並大抵ではない。

クラブ内でも、一軍入をめぐって、仲間といえども競争相手。

このあたりのギスギス感、かの国にもある先輩後輩の序列。

見ていて面白い。

現実は、とても厳しいのだけど。

若さの特権でのチャレンジ。

社会での成功の為の競争が、すでに始まっている

一つの通過点で、あってほしい。

そう思わずにはいられない、そんな映画。

完璧を求めるのはいいけど。

程度ってものが。

このあたりのホドホド感が、現代人の不得意とするところ

忙しすぎるんだよね。

だめならあきらめる、他の道をさぐる。

そんな気持ちになってほしいと、つい思ってしまう。

日本だって、少子高齢化。

一人っ子にかける期待と、それに応えようとする子供。

失敗は許されない、なんて思わないでほしい

それだけ、その子に豊かな教育を受けさせられるだけで、十分。

いまや、格差の広がるこの社会では、その機会が与えられるだけで幸せ。

一億総中流なんて言っていた頃が、なつかしい。

頑張れば必ず報いられる、なんて思わないでほしい

たとえ、結果が伴わなくても。

神頼みもいかがなものか。

ただ、人間の側にできるのは、ただ自分が努力する

それだけのことなのですが。

映画の主人公のように、自分を追い込まないでね。

いい加減、良い加減

このあたりのさじ加減が、現代人は、苦手のようで。

あと、最近気になるのは。

やっても無駄なんだよね、と

最初から白けてる空気。

これも、気になるところではあるのですが。

映画『THE NOVICEノーヴィス』公式サイト:https://www.novice-movie.com/

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