子供の失踪事件とそこにある闇
韓国映画『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』は、ある夫婦の失踪した幼い一人息子を探す戦いが描かれております。
作り話と言ってしまえば、身も蓋もないのですが。
そこには、韓国社会の抱える問題も見え隠れいたします。
実際韓国では、失踪した子供の通報は毎年2万件にもおよび。
その為失踪児童の親などがつくる民間団体があるほどです。
ある団体の代表はこう語ります。
『防犯カメラの設置が進み、子どもたちがスマートフォンを持ち歩く現在でも長期失踪児童事件がなくならない原因について、韓国警察の捜査手法の問題を指摘する。警察は通報を受けて速やかに捜査に入るものの、失踪から48時間が経過すると事件は”長期失踪”に分類され、以降は捜査が円滑に行われなくなる。
統計上、各警察署が1年間に扱う児童失踪事件は約100件。捜査人員が不足していることもこの要因とみられている』
オハラ調査事務所より引用
こんな社会的背景があるからでしょうか、映画は真実味があります。
確かな演技、イ・ヨンエ
失踪した息子を探す母親役が、日本でもブームを巻き起こしたテレビドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』で一躍スターになったイ・ヨンエ。
『親切なクムジャさん』以来14年ぶりのスクリーンカムバックで、見事な母親の執念を見せてくれます。
最初から最後まで、一気に駆け抜ける演出は見事です。
ただ、多少勧善懲悪になるところが少し惜しいかな。
でも、その方が受けるのでしょう。
作品の作り方にも国民性の違いの様な物を感じます。
ラストは何とも言えないですね。
韓国映画の特徴として、『パラサイト 半地下の家族』もそうですが。
結末の後に後日談の様な物語が付いてくるのが、引っ掛かりますね。
この作品も、ここで終わってくれたらと言う所から事件の2年後と言うシーンが続きます。
なんか、ダメ押しの様な気がして、無い方が余韻が残っていいんだけどな。
そう思うのは私だけでしょうか。
この結末のほうが、韓国では受けがいいのでしょうか。
皆さんもご覧になって、判断してください。
最後に映画の公式ページのリンクです。https://www.maxam.jp/bringmehome/
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