映画『馬喰一代』1951年製作、三船敏郎、京マチ子これこそ日本映画

映画フィルムのイメージ画像 映画館

舞台俳優、舞台女優なんて言葉が死語になってしまった現代。もはや、往年の役者の演技を求めることは出来ないのでしょうか、そんな寂しい思いを埋めてくれるのが、往年の日本映画の名作たち。やはり、今見ると大げさな芝居がかった演技もいいものはいいんです。

国立アーカイブスの企画上映より

1951年大映映画製作『馬喰一代』、三船敏郎主演、共演京マチ子

作品は白黒です。

この時代の映画作品って、今の映画とは一味も二味も違いますね。

大きな違いは、舞台の延長線上に映画があるというか

場面、場面が舞台セットの様に、一枚の絵になっていると言いますか。

その中で、役者は、きっちりと演技をします

今だと不自然と捉えられるかもしれませんね。

今は、演技をしない自然な演技というのをもとめられるといいますか

往年の日本映画黄金時代は、この様な作品が普通だったんです。

北海道の大地を舞台とした作品。

馬喰というと馴染みのない職業ですが。

馬を育てて売る職業とでも言いますか。

まだ、作品の舞台となった時代は、農家も機械化なんてされていなくて、馬が重要な働き手であったし。

また、競走馬なども育てる、そんな職業が馬喰だったんです。

今やこんな演技は、舞台では堪能できない。

今と、本質的には、演技というものの考え方が変わったのでしょうか。

そうでは、ないと思うのですが。

今は、ライトな演技というか、自然んな演技が求められる時代

芝居がかった演技は、求められないのでしょうね

芝居ががった演技と言うのも、もはや出来る役者は少ないのでは。

かつては、劇団新派、劇団新国劇、文学座の重厚で、濃密な演技

帝国劇場、芸術座、新橋演舞場、明治座、日生劇場等々で火花を散らせた名優たち

舞台俳優、舞台女優なんて呼び方があった時代。

懐かしいですね。

今や、帝国劇場はジャニーズ、その他の劇場もミュージカルやライトな舞台が多いですね

一か月の興行を打てるのも、歌舞伎を覗けば僅か。

なにか寂しさを感じるのは、私だけでしょか。

日本の名画作品の中に、演技の真髄を求めて

時代が変わって、もはや劇場では手軽に質の高い演技を堪能できない時代。

下北沢など、小劇場は全盛時代で、舞台の数は昔よりはるかに多いのですが

質の高い、舞台を見せてくれるのでしょうか。

たしかめたいのですが、お値段がやたら高いと思ってしまうのです

手軽に良質な舞台が楽しめた時代が、なつかしいのですが

そんな思いを満たしてくれるのが。

日本映画黄金時代に作られた名画の数々です

今を嘆いても仕方ないですから。

残された、日本映画往年の沢山の作品を楽しんだ方が

隠れた、名作なんかも発見できたり。

そんな思いを抱きながら、往年の作品に浸っております。

コメント