今やハリウッドに次ぐ映画産業に発展した中国映画。しかしその中身はあくまでも政府の許可のもとに作られるもので、その表現には制約ができてしまう、果たしてそんな中で世界に通用するよな作品が生まれるのだろうか、『薬の神じゃない』も残念な作品。
中国映画はなぜつまらないのか
それは、実に政府の意向に反した作品が作れない現実が大きい。
そこにつきるのですが。
『薬の神じゃない』も公開3日間の興行収入は9億元(約146億円)、最終興収は30億元(約500億円)とメガヒット作なのですが。
作品のベースとなったのは、2014年に中国で実際に起こり、医薬業界に改革をもたらした事件です。
問題に対する政府の取り組みの遅さや、そのために犠牲になった人々などなど、問題の本質に切り込んでいるとは到底思えない作品です。
政府は遅ればせながらもちゃんと対応したと取れる内容ですね。
致し方ない、共産党一党独裁国家では、映画制作も政府の顔色を伺いながらという現実を感じてしまいます。
しかし、映画の市場がこれだけ大きな中国、そこには確かに豊かな才能を持った人材が確かに集まってくるのも、現実なのですが。
アンダーグラウンドで開花するその才能。
全くアンダーグラウンドで制作される作品というわけではないのですが。
その作風がアンダーグラウンド的という監督たちの評価が高いですね。
ディアオ・イーナン監督『薄氷の殺人』『鵞鳥湖の夜』
ビー・ガン監督『ロングデイズ・ジャーニー この世の涯てへ』
あたりが挙げられるでしょうか。
しかし、アンダーグラウンド的というところが作品として万人向けではないのが、残念なのですが。
海外の映画祭やマニアから熱狂的支持を受けるものの、作風がわかりにくい、難解となってゆくのもいたしかたないでしょうか。
まだ、ディアオ・イーナンあたりはわかりやすい方ですが、ビー・ガンとなるとアングラ演劇でも見てるかのようで。
今後の中国映画の展望
中国政府が不動の現在、ハリウッドのように自由な空気につつまれた場所で作られる作品とは比べられないのが現実です。
そんな中でも、豊かな才能が結集した中国映画界、あらゆる制約の中でも、驚くような傑作が生まれることを望みます。
日本と違って、映画産業が好調のなのですから、期待しましょう。
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