師走の風より、コロナの風が吹きまくるありがたくないご時世ですが、国立劇場歌舞伎公演12月に行ってまいりました。客の入りも今一つで役者さんたちの熱演に応えられないのが申し訳ない気持ちになります。これからどんな方向に行くのでしょうか不安がつのります。
別に過去最高の感染者の日を選んだのではないのですが。
12/17は木曜日という事もあって、最も感染者数の多い曜日にあたり、過去最高の822人の感染者が報告されました。
観劇も細心の注意を払ってみたのですが、やはり心配ですよね。
座席数もほ定員のほぼ半分に制限しているのですが。
観客は、その座席に対して6割程度の入り方でしょうか。
仕方がないのですが、寂しい限りです。
そんな中でも熱演の舞台を観てましりました。
『三人吉三巴白浪(さんにんきちざともえのしらなみ)』
河竹黙阿弥作の世話物で配役は以下の通り
お嬢吉三 中 村 時 蔵
お坊吉三 尾 上 松 緑
堂守源次坊 坂 東 亀 蔵
伝吉娘おとせ 坂 東 新 悟
手代十三郎 中 村 萬 太 郎
捕手頭長沼六郎 中 村 松 江
和尚吉三 中 村 芝 翫
序 幕 大川端庚申塚の場
二幕目 第一場 巣鴨在吉祥院本堂の場
第二場 同 裏手墓地の場
第三場 同 元の本堂の場
大 詰 本郷火の見櫓の場 浄瑠璃「初櫓噂高嶋」 清元連中/竹本連中
というわけで、国立劇場歌舞伎公演12月第一部の公演です。
江戸情緒たっぷりの粋なセリフの連続
黙阿弥さん特有の七五調の台詞回しが冴えまくる、まさに江戸の粋のエッセンスの詰まった舞台です。
配役も、中村芝翫、尾上松緑、中村時蔵と芸達者が揃って、申し分ないですね。
役者さん達の熱演に掛け声で答えられないのは残念ですが、致し方ないです。
観客が少ないのもかわいそうで、この先興行はどうなってしまうのでしょうか。
言わずと知れた名セリフの連続、話の筋立ては多少ご都合主義的なところもあるのですが。
そんなのとやかく言う方が野暮ってもんで。
ここは一つおおらかな気持ちで、江戸情緒にひたり、ノンビリ芝居を楽しみましょう。
騒がしい世間の風もしばし忘れ、お芝居に浸った一日でした。
新年からは、以前の通し狂言復活です。
2部制は今月までで、2021年1月からは、以前の形態に戻り通し狂言1部制の興行になります。
当然上演時間も長くなります。
現在の2部制も悪くないのですが、演目が限られてしまいますね。
国立劇場歌舞伎公演は、基本通し狂言が原則なので、バラエティーに富んだ演目を上演してくれるのはありがたいのですが。
ただ、昨今のコロナの状況では1月公演が、予定通り行えればよいのですが。
まだまだ油断できない日々が続きそうですね。
心行くまで、芝居の楽しめる日が戻ってくるのをただ祈るばかりです。
国立劇場歌舞伎公演12月詳細:https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_l/2020/21210.html?lan=j
国立劇場の施設の解説もブログでしています:https://himabu117.com/archives/1966
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