『ART歌舞伎 花のこゝろ』2020年に配信された舞台がスクリーンに

歌舞伎の幕 歌舞伎・お芝居の世界

コロナ禍の2020年に制作され配信された、『ART歌舞伎 花のこゝろ』が劇場版として、公開されました。なかなかの見事な出来で、若手の果敢な挑戦に拍手を送ります。これだけの作品ができるのも個々の実力が優れているのはもちろんのことだと改めて納得。

2020年配信された番組が劇場公開されました。

コロナ禍の2020年に、若手歌舞伎俳優による配信で話題を集めた『ART歌舞伎 花のこゝろ』が、ポレポレ東中野で公開されました。https://pole2.co.jp/

これがなかなかの出来で、見ごたえがありますhttps://artkabuki.com/

映像作品としてもかなりの出来で。

ぜひ劇場で楽しんでいただければと思います。

豪華な出演陣

中心は、歌舞伎役者の中村壱太郎、尾上右近

中村壱太郎は現中村鴈治郎の長男尾上右近は清元宗家の生まれ

それぞれ踊りには定評があります。

そこに、日本舞踊家の花柳源九郎、藤間涼太朗が出演。

さらに、音楽は、中井智弥(箏・二十五絃箏)、浅野祥(津軽三味線)、藤舎推峰(笛)、山部泰嗣(太鼓)、友吉鶴心(琵琶)といった、国宝級の和楽器奏者たちが参加。

衣装は、モード界でワールドワイドに活躍する、冨沢ノボル、里山拓斗、edenworksといった豪華布陣が集結し。

ヘアメイク・衣装も本作のために構想・製作されました。

ここまで力が入るといいものができますね。

これだけの布陣は、中々そろわないと思うのですが。

コロナ禍を逆手に取った策でしょうか。

立派な芸術作品としての完成度が高いです。

能舞台を使ったのは効果的

今回の作品は、能舞台が使用されているのですが。

これが、非常に効果的です。

決して広いとは言えない空間を上手く使いこなしております。

かえって、その決められた空間であるからこその広がりが見事に作られました。

おおよそ、日本の伝統芸能は、大劇場には向かないと思っているので

そもそも伝統芸能が熟成したころは、大劇場などありませんから。

その決められた空間での所作に見ごたえがあるのであって。

近年の大劇場公演では、なにか間延びして凝縮してこない苛立ちを覚えるのですが

今回は、見事に能舞台を使い。

広さ大きさは昔と変わらない空間を上手くこなして、一つの世界を作り出してくれました

果敢な取り組みを今後も続けてほしいものです。

コロナ禍だからこそできたことなのかもしれませんが。

今後も今回のような挑戦を続けてほしいものです。

これだけのメンツがそろうのもなかなかできないでしょうが。

違った形でも、若手の奮起を期待いたします。

若手に限らず、いままでの興行形態にとらわれない取り組みが望まれます

これが、興行主との兼ね合いでなかなか難しいのは重々承知の上で。

あえて、コロナ禍だかこそできた今回の挑戦。

これからも続けてほしいものです。

映画館では、珍しく上映後に拍手が起きてました

いいものは、いいのです

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