人間の無意識下にある表面には出てきてはいけないもの、それが突如浮き上がってきたら手が付けられなくなる。そんな恐怖を見事に映像化したデビッド・クローネンバーグの初期代表作『ザ・ブルード 怒りのメタファー』存分に堪能して下さい。
新宿シネマアートにて『ザ・ブルード 怒りのメタファー』
というわけで、シネマアートにて好評のデビッド・クローネンバーグの二作品が上映されました。https://www.cinemart.co.jp/theater/shinjuku/movie/000729.html
この中から、今回は、デビッド・クローネンバーグ監督の初期の最高傑作『ザ・ブルード 怒りのメタファー』を観ました。
サイコ・プラズミック治療という発想
映画の中で、精神科医が独自に開発したサイコ・プラズミック治療によって、怒りの産物(ブルード:胎児)が暴れまくる作品です。
まあ、その発想が新鮮です。
人間の無意識の中にある怒りを引き出すわけですから。
それが、ある形となって暴れまくる。
見事な着想です。
そのあたりがクローネンバーグ初期の最高傑作と言われるゆえんでしょうか。
誰にでもある無意識という領域
それは、無意識というだけであって、本人は意識していない、あるいは、意識してはいけない領域であり、それが無制限に解放されると、本人の自我の崩壊につながります。
そんなことを実際にやってしまったらというところが、本作品の見どころかと。
現実世界では、やってはいけないことをあえてやるそこが、この映画の面白いところ。
人間の無意識下にあるドロドロがいかに醜いものか。
グローネンバーグ作品で堪能して下さい。

にほんブログ村


コメント