意外と渋い作品が見つかる
Amazonプライムビデオで発見した日本映画旧作。
1952年製作、監督マキノ雅弘、大映映画配給の白黒作品です。
歌舞伎の演目『天衣紛上野初花(あまにまごううえのはつはな)』を下敷きにした物語です。
江戸城で大名や家臣にお茶を出すそんなお仕事があったんですね。
そのお数寄屋坊主といわれる、河内山宋俊。
この男がなかなかの曲者で。
ゆすりたかりはするは、それでいて人助けに奔走したり。
そんなアウトローな主人公が、暴れ回る物語です。
今の作品にはない重厚さ
何しろ日本映画の黄金期に作られた作品ですから。
セットは豪華だし。
製作費もかかっているし。
監督は巨匠マキノ雅弘。
今の作品との大きな違いは、役者が演技をすることでしょうか。
おかしな言い方ですが、今の作品は、演技をしない普段着的演技が主流ですが。
かつては、舞台の様に演技をするのが当たり前だった時代がありまして。
それはそれで、舞台作品を見ているような趣で、それもまたいいものです。
二度とは作れないだろう職人的作品
かつては、東宝、東映、松竹、大映、日活と映画会社がしのぎを削っていた日本映画黄金期。
各会社は、それぞれ撮影所がありそこには、映画作りの職人の世界があったのですが。
いわゆる徒弟制度の様な映画村があったわけで。
そこでは映画作りのノウハウが伝承されていたのですが。
いまは、もう崩壊してしまいました。
映画職人が作る作品は、もはや過去のものになってしまいました。
それだけに、残された作品は貴重ともいえるもので。
その多くが、家庭で気軽に楽しめるのは、嬉しい限りです。
すっ飛び駕
千代田城のお数寄屋坊主というのは表向き、練塀小路に住んで、ゆすりたかりを業とする河内山宗俊は、ふとしたことから奥州棚倉藩の金子市之丞という男を救った。聞けば市之丞の父は、棚倉藩の筆頭家老であったが...
にほんブログ村
コメント