ーネタバレを含みますー
介護施設で暮らす、ヘアドレッサーのゲイ老人。そんな主人公は、一体どんな人生を歩んだんだろう。1990年代のゲイカルチャーとともに描いた作品。人間誰でもそれぞれドラマがあるんだと考える、懸命に生きた人生は、それだけで価値がある。
老人介護施設で暮らすゲイ
主人公の老後の姿です。
誰にでも老いは訪れるのですから、たまたまその一人がゲイの老人という設定。
ただ、彼は街で有名なヘアドレッサーだったということぐらいか。
でも、いくら人生が華やかであろうともその最後には、どうでもいいこと。
まして、その人がゲイであろうとそうでなかろうと、実際のところどうでもいい話なんだけど。
そんなこと言ってしまうと、お話が先に進めない。
そう、人生の最終章には、自らの人生を振り返る時があるだろうな。
それを一人のゲイの老人を通して描いて見せる作品です。
1990年代のゲイカルチャー
それが、満載といったところでしょうか。
今とは違い、ゲイが出会う場所は限られていた時代。
そんな時代へのオマージュなのでしょうか。
それは、決して美しい場面だけでは描ききれないのでしょうが。
もっとファッショナブルに、しつこく描いてほしかったなという感想も。
オハイオ州の街で売れっ子のヘアドレッサーだった主人公。
そして、彼と恋人。
喧嘩別れした友人。
人生最後の仕事を依頼してきた、喧嘩別れした異性の友人。
人生のモザイクとでもいうか、なにかいわくがありそうと期待するのですが。
そのあたりの物語は、意外とありきたりで、期待外れ。
それだったら、主人公の華やかなりし時をもっと描いたほうが、老いた主人公との対比で人間の有り様を描けたのに。
意外と消化不良とまではいかないまでも、物足りなさは残ります。
高齢化社会を迎え、介護施設で暮らすゲイの老人を通して人生を振り返る。
時代の要求にマッチした作品ということでしょうか。
映画『スワンソング』公式サイト:https://swansong-movie.jp/#
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