御年91歳のクリント・イーストウッド、今年も新作を製作してくれました。『クライ・マッチョ』個人的にはあまり好きではない響きを持った言葉なんですが。そこは、ハリウッドの生き字引イーストウッド御大のエッセンスの詰まった作品を楽しみましょう。
13歳の少年とのロードムービー
コロナの影響が、映画製作にも影響があるんだろうなと、作品を見ていて感じます。
登場人物も少ないし、物語も大きな展開やアクションは限られていて。
しかし、この現状の中では、ありとあらゆる要求を望むのは、酷であろうか。
比較的地味な作品ではあるのですが。
そこは、御大イーストウッドが91歳にして、製作・主演とこなしていることに、敬意を払いたい。
映画は、地味ではあるが、ある意味イーストウッドが、91歳にして達した心境を映し出しているようで、興味深いです。
友人から頼まれ、別れた妻の所にいる息子をメキシコから連れ出すという役柄。
『運び屋』もそうですが、90歳台になった自分が演じられる役柄を見つけて来るのが上手い。
13歳という生意気盛りの少年に、人生を押しつけがましく説教するでもなく。
ただ、自然な自分を見せるだけ。
90歳にもなれば、そう隠し立てする必要もなく。
ただ、自然にふるまうイーストウッドの姿がいい。
かつては、『ダーティハリー』で力ずくで悪と戦うはみ出し刑事、ハリー・キャラハンを演じたころが懐かしい。
老境に入るとは、こういう事であろうか。
こうありたいと思うのは、私だけでしょうか。
何かすることが億劫になり、ただ自らの人生の終焉を待つだけなどどいう人生は、イーストウッドには無縁のようである。
とにかく可能な間は、映画を作り続けてほしい。
そう願うだけである。
91歳にして、その映画製作への情熱が失せないことも驚きだがファンとしては、いつまででも作り続けてほしい。
現在は、いろいろ制約のある状況でありますが、いつかは、もっと自由に作れる時が来るはず。
そこでのクリント・イーストウッドの活躍を見たいものです。
もはや、ハリウッドの生き字引と言って過言でない、クリント・イーストウッド。
彼の様に、職人の作る映画はめっきり減ってしまいました。
あるいは、ハリウッド最後の映画職人かもしれない。
映画は、かつては職人の作るものだったのですが。
そんな雰囲気が、画面からこぼれる作品には、そうお目にかかれない。
クリント・イーストウッドの次回作にも期待しよう。
映画『クライ・マッチョ』公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/crymacho-movie/
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