ーネタバレありー
『ヒットマン』前半は悪くないのですが、全体をコメディータッチで描くの、ストーリーからいって無理がありそう。主人公たちが、おおよそ掴みどころのない性格ならわかるのですが、どこか善人タッチで描かれると、後半の展開はいささか理解し難いと思ってしまう。
日本には馴染みのないおとり捜査
主人公は、実在の人物をモデルにしてるそうで。
殺し屋をよそおい、依頼してきた人物を逮捕するという。
おおよそ日本では成り立たないようなお話。
いや、お話ではなくアメリカでは実際のお話だそうで。
それが当たり前に描かれるのも、病める大国を描き出している。
さらに、これがコメディーとして描かれているからわからない。
前半は、実在人物に近いお話だそうで。
依頼をしてきた人物を逮捕するストーリー。
これは、おおよそ殺し屋らしくない主人公の変節が面白い。
コメディーとして楽しめるのはここまで。

後半は、創作になるのですがここがいまいち。
後半は、依頼者の夫のDVに悩む美人妻と恋に落ちるのですが。
そこで、妻は夫を殺害。
その事実を掴んだ同僚から脅された主人公は、同僚を殺害。
これが、前半のコメディーと同じタッチで描かれるんです。
二人共殺人を犯しても、悪びれず。
ふたりで、幸福な家庭を築くのも、当たり前のごとく。
なんか、倫理観はどこかへ飛んでしまったかのよう。
いまの世の中何があっても不思議ではないですが。
前半の善人タッチでラストまで引っ張られると、んんん。
となるわけで。
サイコパスならわかるけど、そうでもないようで。
人間とはわからないもの。
そんな不条理感でとらえるのならわかるのですが。
さきほどのべたように、お二人共善人バージョンで終わってしまう。
ブラックコメディーなんでしょうが、そんな雰囲気も感じず。
監督の頭の中を覗いてみたい。
そんな感想を持ってしまう作品。
映画『ヒットマン』公式サイト:https://hit-man-movie.jp/



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