ーネタバレを含みますー
力のある作品に触れると何か得をしたような気になります、そんな作品が現在公開中の韓国映画『モガディシュ 脱出までの14日間』。いまでも南北に分かれた朝鮮半島では、一筋縄では行かない問題の数々なのですが、映画の世界では、見事に超越してくれました。
あまり宣伝してないようですが。
間違いなく、今年の公開の作品では出物です。
2021年度韓国公開作品の中で、NO.1の興行成績を収めたのは、伊達ではないのがよくわかります。
公開する劇場が少ないせいもあるのでしょうが、新宿ピカデリーでは、週末や休日は、ほぼ満席状態がつづいております。
韓国映画は、勢いがありますね。
すべての作品が、秀作というわけではないですが、とにかく映画製作に力が入っていると。
なんといっても、国が映画製作をバックアップしてますからね。
日本も、合宿とレジャーを混同するようなスポーツ団体に助成金を出すぐらいなら、映画製作にもう少しかかわってもいいのでは。
映画製作に限らず、文化芸術にたいしてこの国はあまりに無理解。
国立の映画学校を2校もつ韓国には、残念ながら、大きく水をあけられています。
アニメと劇画頼みの日本映画界には、ため息しか出ないのですが。
嘆いていてもしかたないので、良いものはよいと割り切って、世界の秀作に目を向けましょう。
1991年のソマリアが舞台の実話に基づいたお話。
ということで、お話は進んで行くんですが。
ソマリアに駐在する韓国と北朝鮮の外交官とその家族のお話。
ソマリアの動乱により、同国を脱出しようとする両大使とその家族。
当時は、韓国は国連に加盟しておらず、投票権をもつソマリアでの工作。
同じくしのぎを削る北朝鮮。
敵対する両国なのですが、動乱で状況は一変。
命を懸けた脱出劇となるのですが。
行き場を失った、北朝鮮の外交官とその家族がとった行動とは。
助けを求める外交官とその家族
行き場をなくした北朝鮮外交官とその家族は、韓国領事館に助けを求めます。
そこで、対立する両国に韓国の大使が一つの言葉を発します。
「子供たちの食事は、食事はしたのか」
韓国では、ごく当たり前の言葉、共に食事をするという文化がそこにはあります。
親しいものが、食卓を囲む。
韓国では、そこに大きな意味と習慣があるのでしょうね。
この場面が、この映画のハイライトだなと。
中々一概には、解決しない南北問題だけど。
この場面は、捨てがたい。
この両国の家族のその後がとても気になるのですが。
国家やイデオロギーを超えたところに作品の焦点を当てたところが、この作品の成功でしょうか。
映画『モガディシュ 脱出までの14日間』公式サイト:https://mogadishu-movie.com/


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