ーネタバレを含みますー
北野武監督の考える戦国時代劇『首』、時代をリードしてきた北野監督も御年76歳、まだまだやる気があるのはわかりますが、そろそろ円熟期に入った作品が見たかったのですが。まだまだ時代の先端でいたいようですね、この人らしいと言えばそれまでですが。
興行的に成功しない北野作品
よくいわれることなんですが。
本作もその仲間入りかな。
『ソナチネ』から始まる北野作品。
海外では、高い評価も国内では苦戦が、いままで。
ただ、北野作品の魅力は、そのカメラワーク。
キタノブルーと言われる、その色調にあったのですが。
前者に関しては、今回はあまり感じなかった。
筆者としては、北野作品は当たりハズレがあるという感覚。
それでゆくと、今回は、残念だけどハズレ。
本人は、そんなことおかまいなしなんだろうな。
自分がやりたいことをやっている感覚なのだろうか。
ゲイでない監督が描くゲイの世界。
特に、ゲイ、同性愛の世界を描いたわけではないけど。
戦国時代の武将の同性愛が、物語の重要なファクターなんですが。
その他の描写も含めて、頭の中で考えた監督のイメージで作られている感が強い。
まあ、映画作品である以上そうなんだけど。
でも、いかにもそうだろうなと納得させられる作品と、作り物感が強い作品では違う。
今回は、作り物感が強い。
戦国武将の同性愛的世界が、本当にこうだったのか。
いや、こうだったのかもしれない、もしかしたら偽物でも本物に見えてしまう
そんな感覚が、湧いてこない。
おそらく、異性愛者であろう北野監督の思う同性愛のイメージと行為。
そのあたりが、ルキノ・ヴィスコンティというゲイの監督の『ヴェニスに死す』に見られる、ゲイの描き方と違う。
時と場所が違うと言えなくもないですが。
見ていて、ああ北野監督の考える同性愛だなと。
知名度で、上映回数は多いのですが。
公開三日目、日曜の16時台の上映。
都市部、隣接する三館で同時上映ということを差し引いても。
その入は、寂しく観客は収容人数の50%もいかない。
題名も『首』というのもいまひとつ。
ロングショットで映像が、物語を語ってくる北野作品がなつかしい。
CGを駆使し、戦国時代をどこかアニメチックに描いた作品。
まあ、いろんなことやってきて、今回はこんなことやってみよう。
そんな作品なのだろうな。
次回作は、あるのだろうか。
映画『首』公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/kubi/
コメント