わかりやすさとスピードそして手短に、映画『サルとクモの家族』はそんな現代を意識した作品なのだろうか、まあ形だけの時代劇に比べたら挑戦的ではあるんだけど。昭和の映画黄金期を過ごしたものには、映画のさまがわりを感じざる負えない、映画の多様性と考えよう。
映画の質感がアニメ
なんだけど、実写という変わった作品。
特に音声にその感じを。
つまり、上手く表現できないけど、アニメを見てる感覚といいますか、それでいて映像は実写。
ですから、音声に奥行きとか立体感はありません。
例えば、アニメで実写の音声をかぶせたら何処か変でしょ。
その逆をやってる感じなんですが。
そこが、製作者のねらいなのか。
出演者には、名だたる俳優もいらっしゃるので、実力のある製作者だとは思うのですが。
あとは、見る方の好き嫌いの問題なのかな。
でも、どうもこういう軽ちゃーは、好きになれない。
歌舞伎もアニメを取り上げる時代ですから。
実写版にも、アニメの世界が、侵食しているということでしょうか。
まあ、歌舞伎は、もともとの語源からして、かぶく(傾く)つまり変形させてゆくという劇ですからアニメとのコラボもありなんでしょうか。
ただ、明治期以降は、古典劇として伝承の形を守ってきたので、そのテイストを無視した変化は、いかがなものか。
古典劇としての歌舞伎は、それを演じるのは歌舞伎役者。
一般人でもいいんですが、そう簡単にできるものではありません。
歌舞伎役者として、舞台に立つには、それはそれは、長い道のりがあるわけで。
そんな、貴重な役者さんが、アニメですかと。
となると歌舞伎役者でなくてもいいのではと。
そのうち、歌舞伎役者自体なくなってしまうかも。
SNSをはじめ、スピードと短さが求められる時代。
ツイッターが、120文字というのが、良い例で、とにかく手短に伝えないと、誰も読んでくれない時代。
そして、文字からインスタグラムなどの映像の時代に。
とにかく、思考よりその場の流れで動いてゆく時代。
そんな、悲しい時代に、じっくり物語に浸るなんて機会がなくなってゆくのがさびしいのですが。
そんな時代の流れを意識したのか『クモとサルの家族』
家族のあり方、生活の行方などなど今日的テーマを扱っているのですが。
残念ながら、奥行きを感じない。
わざとそうしているのか。
今どきの発信の仕方なのでしょうか。
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