図書館=文化。映画『パブリック図書館の奇跡』に見る図書館の役割。

映画フィルムのイメージ画像 映画館

アメリカにおける図書館の役割

日本の図書館も最近では、かなり充実した内容と活動をしているところもある様ですが。

アメリカにおいては、もっと市民生活に溶け込んだ存在であると、この作品から感じ取ることが出来ます。

“南北戦争から百数十年、アメリカの図書館はきわめて大きな実績を築き上げた。しかし、その道は必ずしも平坦なものではなく、紆余曲折、試行錯誤を重ねてきた。それを切り抜けることができたのは、ライブラリアンたち、図書館実務担当者の信念とエネルギーであった。アメリカでは‘図書館’という言葉は‘文化’という言葉の代名詞であるかのような位置を占め、図書館の教育的な機能は市民の間に深く根を張っている。アメリカでは、フランクリン・ルーズベルト以降、歴代の大統領が第一線を退いた後、それぞれその出身地に自分とその政権の資料館・博物館を建設することがならわしとなっている。これらの実態は‘文書館’であるにもかかわらず‘大統領図書館’と呼ばれているところにも、この‘図書館’という言葉とそのイメージがすでにアメリカ市民社会全体に定着していることを見事に示している。”(カレントアウェアネス・ポータル)

オハイオ州シンシナティの図書館

この公立図書館での一夜の出来事が描かれております。

この出来事からアメリカにおける図書館の社会的意義というか働きというものを見て取れることが出来ます。

ただ、図書を保管し貸し出す場所という役割以上に、地域に根差した文化の発信地としての役割を見て取ることが出来ます。

また、そこで働く職員(ライブリアン)たちの誇りを感じ取ることが出来ます。

正に、人々の生活と共にあるという意識を強く感じます。

日米の図書館の違い

アメリカには公民館というものがなく、成人教育活動というものが、図書館の性格としてあります。

かたや、日本は公民館というものが成人教育活動を担っている性格上、図書館の役割は、アメリカに比べ狭いものとなっております。

出来れば、アメリカの様に図書館の役割を広げて成人教育活動を行う方が、より文化としての成熟が図れるのではないでしょうか。

あとは予算の問題でしょうか、やはり国は文化というものにもっと予算をかけてもらいたいですね。

日々の生活をより文化的で豊かなものにする為にも、日本の図書館は、その活動範囲を広げてもらいたいものです。

そんな、図書館の在り方というものを考えさせてくれる作品です。

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