北海道から出てくるロックバンドがメジャーになることがままある、このドキュメンタリー映画『kocorono』のbloodthirsty butchersもその一つ。おおよそ都会のグループでは出せないようなダイナミックで独創的な演奏をする。
bloodthirsty butchers
筆者は映画を見るまでこのグループを知らなかった。
結成は、1986年札幌。
1991年に上京してアルバムをリリース。
その後は、日本のロックシーンには欠かせない存在となる。
ざっと調べるとこんな風に紹介されています。
まず、バンド名がかなりえぐいですね、
直訳すると、血に飢えた屠殺場。
実際には、アンディ・ミリガン監督のカルト映画『血に飢えた断髪魔』から取ったという事ですが。
かなり、キツイネーミングだと。
露悪的要素を強めるためでしょうか。
正直、あまり好きにはなれません。
しかし、その音楽は、ハードロックでありながら、ノイジーでメロディアスで、詩はセンシティブで。
かなりの独走性を持ったバンドだと。
2011年公開ドキュメンタリー『kocorono』
10年ぶりの再上映だとか。
バンドのほぼ一年間を追い続ける作品。
門外漢の筆者が見て思うのは。
好きな事をやって生きて行くのは、大変だという事。
プロスポーツ選手が、よく言うのは。
スポーツが楽しかったのは、アマチュア時代まで、今はあくまでも仕事。
アーティストは多少違うかもしれないけど、やはりプロのバンドとしてやってゆくのは、並大抵ではない。
その辺りの苦悩が、映像から滲み出す。
活動の為の資金、メンバーの生活。
おのおのの音楽性の違いを如何に一つにするか。
人前で演奏するとは、レコードを一枚出すとは、その産みの苦しみが伝わってくる。
思ったようにブレイクしてこない苛立ち。
リーダーの吉村秀樹の苦渋に満ちた表情が、印象的だ。
現在のbloodthirsry butchersは、解散はしていないが、活動はしていない。
2013年にリーダーの吉村秀樹が急逝してしまった為である。
人生の不条理を感じられずにはいられない。
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